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2023年度第8回坊っちゃん講座「理科大で、なぜか日本食のグローバル化を考える」開催報告

10月28日(土)に2023年度第8回坊っちゃん講座をオンラインで開催し、100名近い参加者がありました。

 

本講座は最先端の研究や応用研究において世界をリードしている研究者が研究の面白さを高校生、中学生および大学生に伝え、勉学意欲の向上と進路選択に資するために開講しています。

 

今回は、本学経営学部 国際デザイン経営学科 中野嘉子 教授に講演いただきました。最初に、牛丼で有名な日本のチェーン店Yが香港に作った「もっとゆったりと時間を過ごす空間を作りたかった」という香港人担当者のコンセプトによる日本とはまったく異なる空間の新しい店舗の紹介がありました。現在、香港の全飲食店(32,967軒)の12%(4,067軒)が日本関連であり、日本食はグローバルな広がりをみせている話がありました。

 

また、自己紹介として、アメリカに10年、香港に25年住み、前職の香港大学の教員から2022年9月に本学に着任し、異文化コミュケーションや日本のモノとサービスのグローバル化などを研究している話がありました。

 

経営学部 国際デザイン経営学科(Department of International Digital and Design Management:通称IDM)について、「異彩を束ねる異才を育てる」をモットーに、①やっかいな問題にデザインで取り組む ②分野が違う人と力をあわせる  ③そのプロデューサー の人材育成に取り組んでおり、1年次の北海道長万部キャンパスでの寮生活は、国際人としてグローバル社会に出て行く時に、自分と向き合った経験がある、親離れしている、自分で物事を進めて行ける、自立しているという凄く大事な経験ができることの説明がありました。また、IDMでの学びを通じ、デザインする力、デジタル技術の基礎知識、異文化への対応力が身につくことの説明もありました。

 

次に、日本食のグローバル化について、刺身、カレーライス、餃子、オムライス、とんこつラーメンを例に、これらは和食ですか? と問いかけ、日本にローカル化した中華(餃子や天津飯)や香港生まれの寿司(サーモン・とびこ・マヨネーズ・ご飯のロール巻き)など、誰がどこから見るかによって答えが変わること。食のグローバル化とは、ローカル化のないグローバル化はなく、食は「正しい・正しくない」だけでは判断できない。その土地の人にとって、おいしいか?価格が手に届くか?が重要であること。日本食のグローバル化とは、日本の食文化を広げること(伝統的な和食を広げることだけではなく現地の視点で理解することが重要)、やっかいな問題(なにを、どこまでローカル化するか?)を解決することの説明がありました。

 

最後に、自分の「あたり前」と向き合うことや異文化への対応力を身につけることの大切さを伝え、違いを楽しむ、違いはチャンスであるとのメッセージがありました。

講演後、参加者から届いた多数の質問に中野先生が1つ1つ丁寧に回答していただきました。

 

参加者からは、「国際デザイン経営学科の特色がよくわかりました。様々な視点に立って物事を考えることの重要性が理解できました。」「私は国際的な観点から和食を捉えることから一体何を学ぶことができるのかと初めは疑問に思っていましたが、先生のお話を通して、異なる文化からなる違いをそれぞれの視点を通して見るということで様々な多様性の理解、解釈につながり、また、今後グローバル化にするにつれて必須化されるであろう物事の捉え方について学ぶことができました。今後の参考とさせていただきたいと思います。」「とても良かったです。理科大の幅広い学問にこれからの時代を感じました。」などの感想が寄せられました。

 

講演の様子

 

 

 

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