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2023年度第6回坊っちゃん講座「数学から現象を眺める」開催報告

9月16日(土)に2023年度第6回坊っちゃん講座をオンラインで開催し、170名を超える参加者がありました。

 

本講座は最先端の研究や応用研究において世界をリードしている研究者が研究の面白さを高校生、中学生および大学生に伝え、勉学意欲の向上と進路選択に資するために開講しています。

 

今回は、本学創域理工学部 数理科学科 側島基宏 講師に講演いただきました。最初に、自己紹介として側島先生がどんな中学生・高校生を過ごしてきたかお話があり、ゴルフのボールがどういう軌道を描くかを考えるのに微分方程式を使うと聞き、興味を持って数学科に進んだということ。現在に至るまで好きなことを突き進めていたら数学の教員になっていたとお話がありました。

 

講演は、まずは、「微分とは?」とグラフを使って説明し、微分を使って考えられるものとして、箱根駅伝で走る経路のアップダウンや株価をグラフにすることで、示すことができると紹介がありました。

また、微分方程式を使うと未知関数とその導関数の関係式として書くことができるので、例えばエアコンをつけてどのように部屋の温度が下がっていくかをグラフで示すことができ、今の情報とその変化するルール(エアコンの強さ=導関数)を与えて、微分方程式を使うことで少し先の現象(部屋の温度変化)を今のデータから導き出すことができると説明がありました。

 

熱の伝わり方についても数式で示すことができると紹介があり、偏微分方程式や熱伝導方程式について、数式を見せながら説明がありました。

 

今回の講座は、数式が出てきても眠くならないようにと資料を研究室のモニターに映し、側島先生がモニターの前で指示棒を持って説明しました。

 

最後に、微分方程式で出てきた考え方は、数学の代数の分野にも関わってくるので、1つの分野だけでなく、周りの分野も知っているほうがいいこと。好きな科目の成績が悪いことがあってももう少し勉強を続けていくと、成績が急に上がることもあるので、何がおもしろいかを自分で考えてやっていけるといい、と講演を締めくくりました。

 

講演後、中学生や高校生から届いた15件近くの質問に側島先生が1つ1つ丁寧に回答してくださいました。

熱伝導方程式は約分ができるのか?と講演内容に対する質問の他に、高校と大学の数学の違いは何か。純粋数学と応用数学の違いは何か。数学の魅力は何か。数学は先生にとって暇つぶしになるか?等「数学」を問う質問がありました。

 

参加者からは、「偏微分方程式が自然現象につながる数式だとわかり、すごく難しそうという先入観が払拭されました。」、「数学の応用を教えていただいたので、勉強へのモチベーションが上がりました。」「大学での科目の選び方や、受験時のエピソードが、とても参考になりました。」、などの感想が寄せられました。

 

 

講演の様子

 

  • 坊っちゃん講座
  • 高校生のためのサイエンスプログラム
  • 算数/数学・授業の達人大賞
  • 理科・授業の達人大賞
  • 発行物
  • 教育DX推進センター
  • 教職教育センター
  • 東京理科大学
  • 宇宙教育プログラム
  • 数学体験館
  • なるほど科学体験館
  • 協賛 東京理科大理窓ビジネス同友会

東京理科大学 理数教育研究センター
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