科学ジャーナリストによる「伝える文章の書き方」講座 開催報告
2023年6~7月、本学大学院生を対象に3回講座として、科学ジャーナリストによる「伝える文章の書き方」講座を開催しました。
本講座は、国立研究開発法人科学技術振興機構 次世代研究者挑戦的研究プログラム「イノベーティブ博士人材育成プロジェクト~壁を越えて『価値』『アイデア』を創造」の採択を受けて、イノベーティブ博士人材育成プロジェクトと理数教育研究センターが共催しました。
16名の大学院生が参加し、科学ジャーナリスト・理数教育研究センターアドバイザーの高橋真理子先生による「伝える文章とは」(オンライン非同期)の動画を視聴し、課題に取り組んだうえで、対面での第2回の講座を実施しました。課題とは、理大祭実行委員長になったと仮定し、メインとなる講演を誰に依頼するかを考え、その依頼文を作成するというものです。タイムマシンが使えるという条件が加わり、過去や未来から講演者を招くことも可能となったことで参加学生のオリジナリティあふれる文書ができました。
これをもとに神楽坂キャンパスでグループワークを行い、議論、発表を行いました。
第3回講座は、「自分の研究を中高生にわかるように書く」という課題を作成して持ち寄り、グループワークを行いました。A4用紙1枚に収まるようにわかりやすく書くことは、用語の使い方や見出しのつけ方にも気を遣います。
グループごとの発表では、「トピックセンテンスは何か?」、「○○の用語は中高生にはわからないのではないか」との指摘が多くありました。専門用語を学ぶのは研究を進める第一歩ですが、中高生や分野が違う人はそうした用語を知らないわけで、わかるように伝えることの難しさを感じる課題となったようです。
参加者からは、「これまでに学校で学んできた作文の授業では、文字数に気にかけてばかりで、読み手のことを考える機会が全く無かった。この講座で読み手のことを考えることの大切さがよくわかった」、「対象の人に向けて、いかにわかりやすく的確に伝えることができるか、ということを詳しく学ぶことができた。レイアウトを意識することや、トピックセンテンスをはじめに持ってくることで、相手に読んでもらえる文章になるのだと実践を通して感じた」、「推敲がグループワークで行われるため、他人の意見を取り入れることが出来た。トピックセンテンスという存在について初めて知った。伝えたいことを一文にし、文章の頭にそれがあることで伝わりやすくなることを肌で体感した」といった感想が寄せられました。
本講座で、取り組んだ「自分の研究を中高生にわかるように書く」の課題を紹介します。
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◆大学院理学研究科 森彩花 ◆大学院理学研究科 加藤準一朗
◆大学院薬学研究科 高橋裕平 ◆大学院薬学研究科 太田有紗
◆大学院創域理工学研究科 野口匠海
講座の様子