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2022年度第10回坊っちゃん講座「光を利用した環境浄化~地上から宇宙まで~」開催報告

12月17日(土)に坊っちゃん講座をオンラインで開催し、100名の参加がありました。

 

本講座は最先端の研究や応用研究において世界をリードしている研究者が研究の面白さを高校生、中学生および大学生に伝え、勉学意欲の向上と進路選択に資するために開講しています。

 

最初に勝又健一先生の自己紹介があり、中学生の時にお父さまが買ってくれた書籍『ホーキングの最新宇宙論』がきっかけで、宇宙に関する何かをやりたいと考えるようになり理系に進んだこと、大学の博士課程の学生時代に、光触媒を発見した藤嶋 昭 元東京理科大学学長(当時JR東海総合技術本部)との出逢いにより光触媒の研究を続けることになったことのお話がありました。

 

講演では、光で環境浄化する光触媒について、酸化チタン(TiO2)光触媒の「酸化分解活性」と「光誘起超親水性」の現象を図を使って説明しました。また、世の中で使われている光触媒の応用例について、民家や高層ビルの壁、ルーブル美術館など図や写真を使って説明がありました。光触媒を用いた文化財保護を試みている実験の紹介もありました。

 

光触媒となりうる元素として、価格が安い、化学的に安定、人体に対して毒性が低いなどの条件があり、そのなかで実用化されて広く使われているのは、酸化チタン(TiO2)だとお話があり、酸化チタン光触媒の仕組みについて図を用いて説明がありました。

 

また、勝又先生も携わっている本学スペース・コロニー研究センターで行っている研究についても説明がありました。人類を月に送り込む「アルテミス計画」には日本も国として参加していて、住環境について月面基地を立てる計画の中で、光触媒を使って空気、水を浄化することを検討していること、国際宇宙ステーション内の微生物調査をしたところ多くの細菌がいることがわかり、宇宙にある太陽光を使うことができれば、酸化チタン光触媒を使って環境浄化ができるのではないかと研究していることのお話がありました。

 

最後に、小中高大学生にメッセージとして、大学の先生は常に世界の最先端で競っているすごい研究者たちで、直接指導を受けて博士号をもらい、研究者として羽ばたけることは人生のプラスでしかない。大学の先生に全力でぶつかれば、博士課程だけでなく卒業後も全力でサポートしてくれるとお話があり、「みなさんも博士号をとって、人生を楽しんでみませんか?一緒に世界を救う勇者になりましょう!」と締めくくりました。

 

その後、参加者から「Q&A機能」を用いて質問を受け、18件の質問を1つ1つ丁寧に回答してくれました。

 

参加者からは、

・「光触媒というものを初めて知りました。優しく丁寧にお話しされていてとても興味が湧きました。高校の化学の教科書にも少し載っているというので、授業で扱われるのがとても楽しみです。」

・「材料工学に興味があり、光触媒の仕組みや用途、今後の有用性が分かりました。SDGsに貢献できる分野だと思うし、研究内容にさらに興味を持ちました。」

・「光触媒についての知識が全くない状態で参加しましたが、分かりやすく説明していただけて楽しく学ぶことができました。特に、光触媒が開発された背景や実際の社会ですでに応用されているという観点から、改めて科学の力のすごさを感じました。また、先生のお話の中で企業や専門団体との協力で開発がすすめられている分野でもあることを知り、興味を持つことができました。」

などの感想が寄せられました。

 

 

講演の様子

  • 坊っちゃん講座
  • 高校生のためのサイエンスプログラム
  • 算数/数学・授業の達人大賞
  • 理科・授業の達人大賞
  • 発行物
  • 教育DX推進センター
  • 教職教育センター
  • 東京理科大学
  • 宇宙教育プログラム
  • 数学体験館
  • なるほど科学体験館
  • 協賛 東京理科大理窓ビジネス同友会

東京理科大学 理数教育研究センター
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