最新情報

2022年度第7回坊っちゃん講座「糖鎖は細胞の顔~糖鎖からみる病気のメカニズム」開催報告

10月8日(土)に坊っちゃん講座をオンラインで開催し、110名を超える参加がありました。

 

本講座は最先端の研究や応用研究において世界をリードしている研究者が研究の面白さを高校生、中学生および大学生に伝え、勉学意欲の向上と進路選択に資するために開講しています。

 

最初に東(ひがし)先生の自己紹介があり、高校生の時は、文系の国立大学を志望していたところ、化学の先生が化学を教えてくれたことがきっかけで、化学が好きになり薬学部に進学したことや、サッカー部を立ち上げ部長を務め練習場探しや練習メニューを決めたことが今の研究室の運営に経験として生きていると話がありました。

 

講演では、「糖鎖とは?」と食品・健康食品・医薬品に含まれる糖鎖、糖鎖の分類、体の中の糖鎖として、電子顕微鏡の写真を用いて血管の内腔にある糖鎖(血管内腔にある時は「糖衣」という)の紹介があり、糖衣は脳毛細血管の中から血液等が染み出すことを防いでいると説明がありました。

 

糖鎖は小胞体で生成され、タンパク質に結合すると説明があり、「糖鎖は細胞の顔」として糖鎖の構造により、ホルモンや免疫の働きを調節したり、インフルエンザや細菌と結合したり、血液型の違いをつくること、糖鎖と結合する分子をつくることでがんの診断やバイオマーカーに使われることも図を使って説明がありました。

 

東先生が行っている脳梗塞の糖衣損傷の研究について、脳梗塞モデルマウスを作製し、糖鎖を投与すると脳梗塞体積を減少させると説明があり、糖鎖と酸化する除去剤を一緒に投与すると脳梗塞の治療に使えるかもしれないとお話がありました。

 

糖鎖は基本的にタンパク質と脂質と結合して存在し、糖鎖結合とタンパク質と相互作用することで、多岐にわたる生命現象で重要な役割を果たしている。また、糖鎖の分解や蓄積は、脳梗塞、がん、うつ病をはじめとする病気に深くかかわっていると締めくくりました。

 

その後、参加者から「Q&A機能」を用いて質問を受け、16件の質問を1つ1つ丁寧に回答してくれました。

 

参加者からは、「糖という小さな分子を用いて病気に対する薬の開発や生命の仕組みについての細かい説明を聴くことができ、興味を持つだけでなくその神秘、不思議さを感じられた。」、「自分の興味のある分野だから、聞いていてすごく楽しかったし、勉強のモチベーションがあがりました。ムコ多糖症を始めて聞きました。障害ある方を医療面で支えるのが夢なので、すごく嬉しかったです。」、「受験勉強の生物は、どうしても暗記になってしまい専門的な内容に触れられないため、とても良い機会になりました。分かりやすく丁寧な説明で楽しかったです。また、質問にも丁寧に返答頂きありがとうございました。自分と違う着眼点からの質問を聞き講座の理解を深めることができました。」などの感想が寄せられました。

 

オンライン講座の様子 

 

 

  • 坊っちゃん講座
  • 高校生のためのサイエンスプログラム
  • 算数/数学・授業の達人大賞
  • 理科・授業の達人大賞
  • 発行物
  • 教育DX推進センター
  • 教職教育センター
  • 東京理科大学
  • 宇宙教育プログラム
  • 数学体験館
  • なるほど科学体験館
  • 協賛 東京理科大理窓ビジネス同友会

東京理科大学 理数教育研究センター
(事務局:学務部学務課)

〒162-8601 東京都新宿区神楽坂1-3
TEL:03-5228-7329 FAX:03-5228-7330