2022年度第1回坊っちゃん講座「確率的にお得な選択をしましょう」開催報告
2022年度第1回坊っちゃん講座「確率的にお得な選択をしましょう」開催報告
4月23日(土)に2022年度第1回坊っちゃん講座をオンラインで開催し、228名の参加者がありました。
本講座は最先端の研究や応用研究において世界をリードしている研究者が研究の面白さを高校生、中学生および大学生に伝え、勉学意欲の向上と進路選択に資するために開講しております。
今回は、本学理学部第一部応用数学科 黒沢健准教授による「確率的にお得な選択をしましょう」の講演を行いました。
最初に黒沢先生の辿ってきたキャリアの紹介があり、数学を目指す学生に対して、
・計算が得意はきっかけにはなるかもしれないが、証明とかが好きな人の方がおすすめ
・数学科の授業は証明を聞くことが多い
・考えることが好きな人
・すぐに答えを見ず、自分で方法をとことん考えられる人
・色んな手法を学ぶことは知識として重要だが、数学は暗記科目ではない
という考えを述べられました。また、自身が所属する応用数学科の紹介では、「社会は数学で動いている!」「数学で、未来を変える。」との言葉もあり、その後の講演や質疑応答でも、終始真摯な姿勢が伝わりました。
講演では、確定的と確率的の話から始まり、途中に次のクイズを挟みながら、
「さて、10連ガチャを引こう。1枚くらいレアカードがあたるよね??? 確率っていくつだと思いますか?」
「さて、δ₁(x)=2xとδ₂(x)=1.7xでは、どちらが良い予測だろうか?(直感で考えてみよう)」
「検査薬AとBではどちらがリスクが高いだろうか?」
黒沢先生の専門であるベイズ統計学の説明がありました。また、研究紹介では、黒沢研究室の大学院生が発見した定理も紹介されました。
最後に、統計学の魅力を提言され、講演を締め括りました。
学問的面白さ
・自分が普段気になることをデータで立証・検証できる
・朝食を食べる人と食べない人との学力の差は?
・データを交えて、差が有意である等の統計の知識で説得できる
・プレゼンテーションで説得力が増す
社会的ニーズ
・企業側が考える大学で学んでほしい科目
・データサイエンス、AI技術などホットな技術の基礎となる学問
その後、参加者から「Q&A機能」を用いて質問を受け、多数の質問に黒沢先生が1つ1つ丁寧に回答してくれました。
参加者からは、「内容的には難しかったと思いますが、それでよかったと思います。難しいけれどそういう分野を垣間見る機会を提供してくださることに意味があると思うからです。」「大学の研究レベルの数学と高校までの数学のあまりの違いに衝撃を受けました。重みづけについて、とても興味深く感じました。もう一度基礎から学び直したいと思います。」「中学生の私には難しい内容でしたが、色々な確率の求め方について知ることが出来てよかったです。高校の統計学の授業が楽しみになりました。」などの感想が寄せられました。
オンライン講座の様子