2021年度第9回坊っちゃん講座「卵のふしぎ―その細胞培養技術としての先進性―」開催報告
11月27日(土)に坊っちゃん講座をオンラインで開催し、80名を超える参加者がありました。
本講座は最先端の研究や応用研究において世界をリードしている研究者が研究の面白さを高校生、中学生および大学生に伝え、勉学意欲の向上と進路選択に資するために開講しております。
今回は、都合により予定していた講師を変更して、本学大学院理学研究科科学教育専攻 松田良一教授による「卵のふしぎ―その細胞培養技術としての先進性―」の講演を行いました。
講演は、先生の自己紹介から始まり、子ども時代の興味の変遷や研究の経歴を話してから、本題の「卵のふしぎ」に入りました。真核生物の細胞内小器官であるミトコンドリアは体温のもとになり、卵細胞には母親由来のミトコンドリアが非常に多く含まれることから、母のぬくもりはミトコンドリアを介して子どもに伝わると話がありました。
その後、ニワトリのおなかの中の構造を写真で説明し、たまごのできる過程やニワトリの胚発生(孵卵12~19日)の動画を見せて、ヒヨコになるまでの説明がありました。オンラインによる講演のため、写真や動画での説明になりましたが、対面の講演であれば、解剖したニワトリを見せながら説明したかったと松田先生がお話されていました。
最後に、「生物学にはまだまだ分からないことが沢山ある」とプラナリアやイモリ、ベンケイソウの再生を例にあげ、「生物は多様だけど、仕組みは似ているところがあり、その仕組みを理解することで、まだ解明されていないことが説明できるようになるかもしれない」とお話がありました。
その後、参加者から「Q&A機能」を用いて質問を受け、1つ1つ丁寧に回答してくれました。
参加者からは、「卵の不思議な力を知ることが出来ました。身近な生物だったので、興味深く聞くことが出来ました。」「ちょうど学んでいるところで、深く学べる事ができた。イモリの手を切っても時間が経つと戻る事が人間にも最初の時に備わっていることに驚いた。」、本学学生からは「大学の講義で発生生物学を学んだので本講義で改めて勉強することができてよかったと思う。また、ニワトリの話だけではなく、進化の話など様々なテーマに発展していき生物学の面白さを感じることができた。」などの感想が寄せられました。
<オンライン講座の様子>
ギルバート著 塩川光一郎ら訳「発生生物学」(トッパン)