第1回科学技術コミュニケーションセミナー「科学を社会に伝える」開催報告
10月9日(土)に第1回科学技術コミュニケーションセミナーをオンラインで開催し、150名を超える参加がありました。
理工系の学問を学ぶ学生は、専門分野の知識を身につけることはもとより「科学技術を社会に伝えるスキルを学び、伝えることで社会の安全・安心と発展につなげる」ことが重要だと考え、今回、科学技術コミュニケーションについて考えるセミナーを全2回で開催することにしました。
第1回の今回は、本学特任副学長である秋山仁教授より、これからの時代、「分かりやすく科学技術情報を伝えること」は社会においてますます重要となるため、今後、本学で科学技術コミュニケーションを学ぶ機会を設けるきっかけになるよう本セミナーを開催したと趣旨説明がありました。
続いて、朝日新聞社で長年論説委員や科学コーディネーターとして勤められ、現在科学ジャーナリストとしてご活躍の高橋真理子氏に「伝える技術のABC」というタイトルで講演いただきました。
講演では、文章で相手に伝えるために、「読者を想定する」、「文章の基本原則・心得」を意識し、「トピックセンテンスを入れる」等を挙げていました。何がトピックセンテンスなのかを意識することで文章が引き締まるとお話がありました。
講演の2つ目は、本学教養教育研究院 武村政春教授による「ウイルスの真実を知ろう~ウイルスリテラシーの重要性」の講演でした。巨大ウイルスの研究者である武村先生の視点から見た現在の新型コロナウイルス感染症の状況について、「感染」の状態は専門家の視点と一般の視点に違いがあることを例に挙げ、ウイルスをよく知ることが正しく怖れることにつながり、正しく予防を行えることにつながるとお話がありました。
また、ウイルス教育という視点では、高校生物の教科書にウイルスは、参考でしか扱われておらず、この状況で特に生徒に「ウイルス」に触れさせることはウイルスを正しく怖れる態度を養うのに極めて重要ではないかと強く話されました。
講演後の質疑応答の時間には、参加者から20件近くの質問があり、開催時間を延長して回答しました。
参加者からは、「科学技術コミュニケーションの伝える技術と、科学研究をどのように受け止め、解釈するとよいのかという、研究者側と発信側両⽅の内容を伺うことができて、良かったと感じた。」「科学とは理系が得意な⼈のためにあるものではなく、全ての⼈に関係するものであり、科学や理科が得意ではない⼈にもわかりやすく科学を伝えるセミナーになったと思います。」、本学学生からは「一般教養と専門科目を結びつけて考えたいときに、専門知識をより簡単に説明できる技術が役立つと思います。また、専門分野の情報発信をやっていきたいと思っていたので、その良い足がかりになりました。」と感想がありました。
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オンライン講座の様子
秋山 仁 特任副学長 科学ジャーナリスト 高橋真理子氏
武村政春 教養教育研究院 教授 質疑応答