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2021年度第6回坊っちゃん講座「ナノ粒子とナノ光の世界」開催報告

2021年度第6回坊っちゃん講座「ナノ粒子とナノ光の世界」開催報告

 

9月18日(土)に2021年度第6回坊っちゃん講座をオンラインで開催し、160名を超える参加者がありました。

 

本講座は最先端の研究や応用研究において世界をリードしている研究者が研究の面白さを高校生、中学生および大学生に伝え、勉学意欲の向上と進路選択に資するために開講しております。

 

今回は、本学理学部第一部物理学科 Mark Sadgrove(マーク・サッドグローブ)准教授による「ナノ粒子とナノ光の世界」の講演を行いました。

マーク先生は、ニュージーランド出身で、母国で博士号取得後、来日されました。ポスドク、助教として研究を続けられ、他大学の准教授を経て、2019年4月から東京理科大学に勤務されています。講演は流暢な日本語で行われました。

 

今回の講演では、マーク先生から、「分からなくていいからついてきて」と激励の言葉から始まり、ナノ粒子(なぜ単一ナノ粒子を動かすことが困難?)、光ピンセット(なぜ光で粒子を動かすことが可能?)、ナノ光学(なぜナノスケールの光で粒子を操作する?)を軸に進められました。

 

ナノ粒子は、色々な種類・サイズがあり、人間の日常生活にも関係ある種類もあります。ただし、どんな種類でも普通の方法で単一ナノ粒子をアイソレートして操作することが困難。

光ピンセットは、ナノ粒子の閉じ込め・輸送にぴったりな技術です。ただし、空気中の光の形を制御することが困難。

ナノ光学は、ナノ構造中の光学で、光のエバネッセント場を利用する技術です。光の形をデザインすることが可能なので、粒子の操作に向く。

 

以上についてお話がありました。

最近、マーク研究室では、ナノ光学技術(ナノファイバー)を利用して細胞と同じ構造を持っているリポソームの操作を実現できたそうです。

 

参加者からの質問は「Q&A機能」を用いて行い、15件を超える質問にマーク先生が1つ1つ丁寧に回答してくれました。

坊っちゃん講座のコーディネーターである、松田良一教授(東京理科大学 大学院理学研究科 科学教育専攻)からは、「どのような中高生でしたか」「なぜ日本を選んだのですか」と質問があり、「中学生の頃から量子に興味を持ち、小さな世界に関心があったことが今に繋がっている」「東京のような、たくさんの人々が住んでいる街に住みたかった。人が多いところは必ず面白いことが起きる」と回答がありました。

 

参加者からは、「ナノ粒子の大きさや役割など全く知らなかったので、多くの用語を知ることができ、役割を知ることができたこと。」「電場という概念はまだ習っていなくて難しかったですが、光が電場を持っていてナノ粒子に力を与えることができるということなら興味深いと思いました。また、がんの検査などにも応用できる可能性があるのはすごいことだなと感じました。」「先生のフランクな人柄が発表を通して伝わった。研究者というと、気難しいのかと思っていたが、印象が変わる体験だった。」等、多くの感想が寄せられました。

 

  

オンライン講座の様子

 

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