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2021年度第3回坊っちゃん講座「美しい建築ってどんなもの? ―”かたち”の感性と、美しい方程式―」開催報告

6月5日(土)に2021年度第3回坊っちゃん講座をオンラインで開催し、280名の参加者がありました。

 

本講座は最先端の研究や応用研究において世界をリードしている研究者が研究の面白さを高校生、中学生および大学生に伝え、勉学意欲の向上と進路選択に資するために開講しております。

 

今回は、本学工学部建築学科 伊藤拓海教授による「美しい建築ってどんなもの? ―”かたち”の感性と、美しい方程式―」の講演を行いました。

 

今回の講演では、参加者に筆記用具や紙を用意してもらい、講演中に出された課題「建物のスケッチ」、「アーチのスケッチ」、「折り紙」に手を動かしたり、クリッカー「スグキク」を使用して、Webでリアルタイムに投票したりする参加型の講演となりました。

 

講演は、アントニ・ガウディのサグラダ・ファミリアの話から、ル・コルビュジエやW.グロピウスの建築構造面におけるガウディ評に始まり、建物の構造とは、「どんな建物にも、動物の骨にあたる骨組があり、建築を造る重要な要素である。」であり、様々な構造形式の紹介がありました。

特にアーチについて、ローマ時代の水道橋、パンテオン、トルコのハギアソフィア、長崎・眼鏡橋、有明体操競技場等、世界中のアーチの紹介から、アーチの安全を考えると、構造物にとって負荷の少ない曲線は、数学で表されている双曲線関数であり、下津井瀬戸大橋、国立代々木競技場 第一体育館、東京国際フォーラム、幕張メッセ新展示場 北ホールを例に挙げ、関数の形状としてはちょっとした差ながら、力学、安全には大きな違いが出るとのお話がありました。

 

その後、「Q&A機能」を用いて参加者から質問を受け、40件を超える質問に、講演時間を大幅に延長しながら、伊藤先生が1つ1つ丁寧に回答しました。

 

講演を通じて、建築学とは、スタイル、構造、数学等、まさに総合科学であり、美術、経済学等、非常にマルチで文理融合な分野であることが分かる講演でした。

 

参加者からは、「もともと建築に興味があったのですが、なかなか詳しく知る機会がなく、この講座に参加して、大学でどんなことを学ぶのか少しイメージできたのが良かったです!」「理解するのが難しいと思われる話でも、実際に手を動かしたり、実在する建物を元に説明されていたり、とてもわかりやすくて、よく理解することができました。」「建築家になるために日頃からどのようなことを意識するといいかということが気になっていたので、質疑応答を通してお答えしていただけたのがよかったです。」などの感想が寄せられました。

 

     

オンライン講座の様子