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2020年度研究会「心に残る理数教育-卒業後にも色あせないものー」をオンラインで開催

12月13日(日)に本学教育支援機構理数教育研究センター主催研究会「心に残る理数教育-卒業後にも色あせないもの-」をオンラインで開催しました。

本研究会は、日本の理数力強化に資するべく、中学・高等学校の現職理数教員や教員を目指す学生、教員養成を担当される方や大学教員を主な対象として開催する合同研修で、全国から150人を超える参加がありました。

 

第一部では、初めに秋山仁 特任副学長・理数教育研究センター長が基調講演を行い、先人たちの言葉や宮澤賢治の教育について紹介し、有意義な研究会となるよう提起しました。

続いて、講演1では北原和夫氏(本学元教授、東京工業大学名誉教授、国際基督教大学名誉教授)が「物理の目から見えてくるもの」と題して講演を行い、物理学を学ぶ意味を示し、ニュートンの運動の法則を例に式の意味を教えることが大切だとお話され、物理学を通して、世界の認識の仕方や世界への関与の仕方を教育のゴールにすることが大切だとお話されました。

 

講演2では、渡辺正氏(東京理科大学 嘱託教授)が「中学と高校で教えたい化学のココロ」と題して講演を行い、本質につながるような驚いた体験は心に残り、大学で学ぶ「本物の化学」につながると話があり、ぜひ教えておきたいこととして、「原子・分子の小ささ(数の多さ)」「原子・分子の素早さ(活発な動き)」について、クレオパトラ7世が摂取&排泄した水を仮定して、水の分子数を考えてみる例を提示しました。

 

休憩をはさんで、講演3では、田代直幸氏(常葉大学教授)が静岡県から遠隔で「心に残る生物の教育とは?」と題して講演を行いました。教師が生徒の“心に残す”ために、心に残す秘訣、どのように好奇心を喚起し、好きにするかについて身近な例をあげてお話されました。

 

講演4では、久田健一郎氏(日本地学教育学会会長)が「生存可能な惑星に生きるための地学とは」と題して、心に残る理数教育を地学の視点でお話があり、地学の特性と総合的理科の必要性や地学教育においてストーリー性が必要であることの講演がありました。これからのサステナブルな地球環境を考える際、とりわけ地学の果たす役割は大きく、また、物理、化学、生物学との融合も図れるのではないかとお話がありました。

 

その後、高校の現職教員の石井裕基先生(香川県立観音寺第一高等学校)(香川県から遠隔で講演)、佐野寛子先生(東京都立小石川中等教育学校)がそれぞれの高校教育現場での取り組み紹介がありました。

 

第二部のパネルディスカッションでは、第一部の講演者がパネリストとして登壇し、参加者から寄せられた数々のご意見や質問を取り入れ、心に残る理数教育について議論しました。

参加者から寄せられた「高等学校での課題研や探究活動のテーマ設定」や「研究方法等のノウハウの共有」について、「学力が高くない子供たちにどのような授業を展開するのが良いか?」等の高校教育現場での声に対し、パネリストが実践例などをあげて回答しました。

石井裕基先生や佐野寛子先生からは高校で実際に取り組まれている、生徒を引き付ける方法や研究活動での生徒へアプローチについてもお話があり、オンライン上で議論が行われました。

 

参加者からは、「生徒の学校生活へのモチベーションを上げる方法にさらに興味を持った。。彼ら自らが楽しい学校活動ができるように、教職員はコーディネートしなければならない。」「教員を目指す者として何が重要であるかの全体像がつかめた。生徒が自ら学べる仕掛けをいかに作るか、今日参加していた先生方のお話を基に自分で学びながら考えていきたい。」「オンラインとはいえ、登壇者のみなさまそれぞれが強く訴えたいと思っているところに、直に触れることができたことが何より良かったと思います。」などの感想が寄せられました。

 

今年は新型コロナウイルス感染症拡大により、初めてオンラインで研究会を開催しました。「心に残る理数教育」と題して、試験のためではない真の理数教育とは何か、何が必要かを考え、参加者の皆さまと議論できればと開催しました。終了後、今後取り上げてほしいテーマを参加者から数多くいただきましたので、それらを参考に来年度も継続して開催したいと考えています。

 

秋山仁特任副学長・理数教育研究センター長    講演1:北原和夫氏(本学元教授)

 

講演2:渡辺正教授               講演3:田代直幸氏(常葉大学)

 

講演4:久田健一郎氏(日本地学教育学会会長)   石井裕基教諭(香川県立観音寺第一高等学校)

 

佐野寛子教諭(都立小石川中等教育学校)     パネルディスカッションの様子

 

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