実施報告 2025/12/21
12月20日(土)~21日(日)に本学野田キャンパス及び宇宙共創拠点X-NIHONBASHI TOWERでBootcamp4を行いました。
Bootcamp4では、パラボリックフライト実験の結果や経験に基づいたグループワークと、実験結果報告会に臨みます。
Bootcamp4、2日目に行う実験結果報告会は、昨年度の野田キャンパスから会場を移し、宇宙ビジネスの最前線である「X-NIHONBASHI TOWER」(東京都・日本橋)で開催します。
挑戦の成果を披露する舞台、2日目は「実験結果報告会」から始動しました。
宿泊先である野田キャンパスから教員や宇宙の学び舎seedとともに朝早くから電車で移動。
会場となるX-NIHONBASHI TOWERへ到着後、最後のグループワークに臨みました。
会場にはビジネスパートナー企業の担当者や学校関係者、過年度受講生に加え、一般参加者も来場し、熱気あふれる雰囲気に包まれました。さらに、外部評価委員会の委員も参加し、昨年はオンラインのみだったところ、今年は5名中4名が対面で来場、残る1名がオンラインで参加するハイブリッド形式で実施されました。向井先生、木村先生によるプログラム概要の紹介を経て、いよいよ「実験結果報告会」がスタートします。
1班「WELTRAUM」による発表テーマは、「宇宙での文化創造 ~液体挙動実験に基づくアートの提案~」。微小重力環境で液体の広がり方や混ざり方を調べる実験を行い、重力がない条件では密度差による成層が起きず、液体の性質によってテクスチャが決まることを応用し、液体の3次元的広がりと時間変化を楽しむ体験型アート「FASP(Fluid Art with Spatial Patina)」の提案がありました。
続く2班「μBubble(みゅーばぶる)」による発表テーマは「宇宙で遊べる体験型おもちゃ ~シャボン玉を使った新しいスポーツ~」。微小重力環境でシャボン玉を作り、素材や濡れ具合による耐久性を比較する実験を実施。結果から、シャボン液の付着が持続時間に大きく影響することを確認しました。これを踏まえ、宇宙空間で楽しめる競技型スポーツ「Bubble Clash」の提案し、将来的な商品化やエンタメ展開の可能性を示しました。
最後を飾る3班「Cosmometer」による発表テーマは「噴霧栽培に向けた撥水を用いた水滴制御技術の実証」。宇宙農業における水資源の損失防止を目的に、撥水性と親水性を組み合わせたパターンで水滴の動きを制御する実験を行いました。微小重力下でも水滴移動が可能であることを確認し、壁面で水を回収する素材「Requa Mist」を提案。水循環効率を高める技術として、宇宙農業や閉鎖環境での応用を目指しています。
質疑応答と講評では、ビジネスパートナーや外部評価委員会、本学教員に加え、一般参加者からも活発な質問や意見が寄せられました。中には、オンラインで参加した高校生からの質問もあり、幅広い視点からのアドバイスが飛び交いました。白熱したディスカッションが続く盛り上がりの中で報告会は幕を閉じました。報告会を終えた受講生の表情からは、達成感が窺えます。
その後、昼食を兼ねた交流会を開催。ビジネスパートナーや過年度受講生に加え、一般参加者や宇宙産業の関係者も多数参加し、会場は活気にあふれました。交流会では、過年度受講生による自己紹介や、本学学生ベンチャー「株式会社宇宙の学び舎seed」による活動紹介も行われ、短い時間ながら受講生同士の親交を深めるとともに、産業界や先輩とのネットワークづくりの場となりました。
そして閉講式。向井千秋特任副学長から受講生1人ひとりに修了証が授与されました。
また、優秀な成績を残したチームに贈られる「向井賞」には「Cosmometer」が、ビジネスパートナー賞には「μBubble(みゅーばぶる)」、宇宙港賞には「WELTRAUM」が選ばれ、それぞれ賞状と副賞が授与され、最後に参加者全員で記念撮影をして解散となりました。
2025年度のプログラムはBootcamp4をもって終了し、26名の受講生が修了しました。
このプログラムで培った知識や経験、そして仲間との絆を力に、未来へと羽ばたく皆さんの活躍を心から楽しみにしています。
▼木村先生の挨拶 ▼チーム「μ bubble」の発表の様子

▼チーム「μ bubble」の発表の様子 ▼チーム「Cosmometer」の発表の様子

▼一般参加者の質疑応答 ▼ビジネスパートナー・過年度受講生交流会

▼修了証授与の様子 ▼集合写真

※「宇宙教育プログラム」は、宇宙分野を先導する次世代の人材を育成する、東京理科大学が実施する教育プログラムです。今期(2024~2026年度)のテーマは「ビジネス×宇宙」。小型人工衛星や宇宙旅行など、民間の宇宙利用が急速に発展するなかで、宇宙産業界では将来の宇宙進出に向けた技術開発・教育・旅行・観光などのビジネスが活性化しています。プログラムではこのようなビジネスを「宇宙志向ビジネス」と呼び、宇宙志向ビジネスを牽引する人材、さらにはこのような人材を育成する教育者・指導者を育成することを目的に、高校生と大学生メンターを対象とした教育プログラムを実施します。
※本プログラムは、文部科学省の地球観測技術等調査研究委託事業(宇宙航空科学技術推進委託費)「宇宙志向ビジネスを先導する人材を育てるBootcamp in 大分」により実施するプログラムです。