先進工学部

Faculty of Advanced Engineering

基礎科学、先進工学、デザイン思考が織りなす、
イノベーションを生み出すための“フィールド”で学ぶ

Vision

学部が目指すこと

新たに2学科創設。イノベーションの領域が広がる

エレクトロニクス、ナノテクノロジー、バイオテクノロジーに象徴される新たな学術分野の発展と技術創出を目指して1987年度に設置された基礎工学部。先進工学部は、その基礎工学部をさらに進化させるために2021年度に名称を変更し、「電子システム工学科」「マテリアル創成工学科」「生命システム工学科」の3学科でスタートしました。

そして2023年度からは新たに「物理工学科*」と「機能デザイン工学科*」の2学科が加わり、イノベーションの学びのフィールドが広がります。

先進工学部では、現代社会に横たわるさまざまな課題を解決に導く、インベンションやイノベーションを起こす人材の育成が最大の目的になります。前身の基礎工学部時代に取り入れた、コミュニケーション力や課題発見力、共感力などの人間力を涵養する教育手法を引き継ぎながら、単にイノベーションを起こすだけでなく、SDGs時代に求められる、容易に解けない問題に対しても忍耐強く向き合い、解決を模索していく力と創造性があふれるイノベーターを育てていきます。

5学科体制で研究領域がさらに拡大

物理学の“論理”を現実社会に“応用”することでイノベーションを起こす人材の輩出を目指す「物理工学科*」と、12の研究分野を連携融合させながら人類共通の課題となる少子高齢社会におけるQOL(生活の質)とWell-being(社会的幸福)を工学の力で引き上げる「機能デザイン工学科*」の2学科を加えることで、カバーする社会課題領域を広げます。従来の3学科と2つの新学科が学際イノベーションフィールド上で連携融合することで、多彩なイノベーションをスピーディーに創出していきます。

5学科体制で研究領域がさらに拡大
Features

学びの特長

出口思考で社会課題へアプローチ

多様化し、複雑化していく社会に求められるイノベーションを、出口思考でより具体的に創出するための2つの学び軸が特長です。

1つは数学、物理学、化学、生物学などの基礎科学領域から成る“縦糸”と、エレクトロニクス、ナノテクノロジー、生命工学、複雑科学、ロボティクスなどの先端工学領域から成る“横糸”が織りなす、イノベーションを生み出すための豊かな土壌、「学際イノベーションフィールド」。もう1つが、イノベーション創出の手法として注目を集める「デザイン思考」です。学生は、基礎科学領域で理系学問に共通するベーシックな論理的思考をしっかり身に付ける一方で、先端工学の知識とノウハウを獲得。共感から社会実装にいたるデザイン思考のプロセスを適用させることでイノベーションを導けるようにします。

また、研究室間の垣根が低く分野融合的な学びが可能な環境や、イノベーション創出の際に必要な社会や人間に対する俯瞰力・洞察力を育てる「くさび形教養教育」を通して、イノベーション実現まで耐え抜く力を身に付ける学びも用意しています。

産業と社会の課題を解決する成果=イノベーションの創出

デザイン思考って?

デザイン思考は、イノベーションを生み出す有力な手法として注目されるメソッドです。デザイナーがデザイン業務で使う思考方法のプロセスを活用して、前例のない問題や未知の課題にアプローチする発想法であり、従来の問題解決型ではなく、自ら解決すべき問題を見つけ出し、それに対する最善の解決策を探っていきます。

スタンフォード大学のハッソ・プラットナー・デザイン研究所によるデザイン思考のプロセスは、「共感(Empathize)」「定義(Define)」「概念化(Ideate)」「試作(Prototype)」「検証(Test)」の5つ。これらを繰り返しながら、これまで世界になかったものを生み出していきます。

5学科共通で、デザイン思考科目を導入

先進工学部では、デザイン思考科目を5学科共通で学ぶ科目としています。また、グループワークを活性化させることで、デザイン思考のプロセスを確実に身に付けられる環境を整備。1つの分野では解決できない複雑な問題に挑んでいく力を培います。

デザイン思考って?
Campus

葛飾キャンパス

学び舎は「イノベーションキャンパス」

先進工学部は、2013年に誕生した葛飾キャンパスで4年間の一貫教育を行います。先端融合分野を研究する「イノベーションキャンパス」として整備された葛飾キャンパスは、東京駅まで約30分と、都心へのアクセスも良好。研究機能の拠点として研究室、実験室、ゼミ室などが集結した11階建ての研究棟や、各学科の特殊な要件に応える実験施設が集まる2つの実験棟など、最先端の設備を誇る施設がゆったりと配置されています。

葛飾キャンパス
図書館

図書館

葛飾キャンパスのシンボルです。葛飾区・未来わくわく館も併設されており、地域に開放された文化施設の役割を果たしています。

食堂

食堂

キャンパスモールに面した管理棟の1、2階にあります。1,000席あり、学生たちの交流の場にもなっています。

キャンパスモール

講義棟

図書館へと続く全長250mのキャンパスモールは、講義棟、研究棟などすべての施設につながる葛飾キャンパスのメインストリートです。

体育館

体育館

メインアリーナ、サブアリーナからなる体育館にはトレーニングルームも設置されており、2~6階にはクラブ・サークルの部室があります。

New(2023年新設予定)

物理工学科*

Department of Applied Physics

現代物理の成果 × テクノロジーで
今までにないイノベーションを創出する。

2023年度より新学科としてスタートする物理工学科*は、20世紀から発展してきた量子力学や相対論などの現代物理学とテクノロジーを橋渡しし、イノベーションを生み出して、社会に役立てる研究とそれに携わる人材の育成を目指す学科です。

自然界の理を探究する物理学の「論理」と、それを現実社会に「応用」する「論理×応用」の手法を学ぶことで、学生たちは時代がどのように変化しても対応できる力を養います。また各周辺分野を融合しながら物理学の領域を広げていくことも、物理工学科*の大きな使命。それぞれの専門分野でのエキスパートが協力しあうことで、イノベーション創出につながる研究に取り組んでいきます。

物理工学科

カリキュラムと学びの特長

物理工学科*では、イノベーションを通じて真に社会貢献できる人材を育成するために、
物理学に対する確かな知識と論理的思考能力を身に付けるためのカリキュラムを編成しています。

カリキュラムと学びの特長
Point 1

物理学の論理を実践に生かす力を養うために、1年次から3年次まで物理学の基幹科目を基礎からしっかり学ぶと同時に、豊富な実験科目を用意します。

Point 2

2年次からは、量子力学等の現代物理学を学びながら、物理学のなかでも応用範囲の広い、「物質科学」、「複雑科学」、「エネルギー科学」、「ナノデバイス」の4つの分野を研究領域として、工学的な素養も身に付けていきます。

Point 3

4年次ではいずれかの研究室に属し、最先端研究に取り組みながら社会の諸問題を解決するために必要な能力を磨いていきます。また、新しいイノベーションを生み出していくために、学科、大学、学問領域を越えた学内外連携による研究にも力を入れていきます。

領域を越えた連携については、こちらを見てみよう!
学科、大学、学問領域を超えた学内外連携

研究分野

現代物理  × テクノロジーで切り拓く4つの研究領域

今までにない物質の性質を発見・創造する

物質科学分野

●量子シミュレーション ●物質中の電子を見る ●電子スピン物性開拓 ●光物性物理

物質のなかの電子の振る舞いなど、現代物理の基本原理である量子力学が切り開いてきた物質の性質を探究し、これまで存在しなかった物性の発見や物質機能性の開拓に取り組みます。現代の私たちの生活は様々な機能を持つ物質により支えられています。新たな物質の機能性の開拓は、私たちの未来の生活に新たな可能性を生み出します。

物質科学分野

複数の要素が組み合わさって起きる現象を数理的に表す

複雑科学分野

●計算論的神経科学 ●自己組織化現象 ●非線形力学系

例えば魚や鳥・細胞が大量の群れを作って群遊したり、多数の神経細胞から構成される脳が知性を持つなど、複数の要素が組み合わさって起きる創発的な現象を非線形力学系の視点から数理的に解き明かしていきます。複雑科学分野では、脳への情報伝達の仕組みや、個人が多様な関係性でつながる人間社会のネットワーク解析なども研究します。

複雑科学分野

身の回りのものからエネルギー問題の解決につなげる

エネルギー科学分野

●超伝導 ●機能性材料 ●エネルギー変換デバイス

あらゆる現象はエネルギーの貯蔵・輸送・変換として分類することができます。これらの現象を物理的な視点から理解し、新しい応用を創出していくことはサスティナブルな未来を実現するための重要な課題。量子コンピュータや高速通信システムの核となる「高温超伝導」や、身の回りにある振動や熱からエネルギーを収穫して電気エネルギーに変換する「エネルギーハーベスティング」など、新しいエネルギー分野の開拓を進めています。

エネルギー科学分野

小さいのにスゴい「新デバイス」をつくる

ナノデバイス分野

●ナノイオニクスデバイス ●情報・エネルギー素子 ●記憶・学習デバイス

電子や分子、イオン等の微粒子はナノ空間やナノ周期構造中に置かれると量子力学的な効果が顕在化し(ナノメートル=10億分の1メートル)、特異な挙動を示すようになります。このため、私たちに馴染みのある物質もナノサイズにすると全く異なる性質を示します。ナノデバイス分野では半導体プロセスや自己集積化現象を利用して原子や分子レベルで領域をデザインすることで、マクロな世界では実現し得ない省電力性に優れた極小スケールの高機能次世代メモリや、エネルギー素子、新しい機能を持つ極小デバイスの研究開発を進めます。

ナノデバイス分野

学科、大学、学問領域を超えた学内外連携

物質科学×エネルギー科学×複雑科学

物理工学科*が対象とする領域は、複雑な要因が絡まった系や課題となり、古い物理学の視点より視野を広げた議論が求められます。そのためには複数の研究分野を融合させながら、現代物理学の領域を広げる必要があります。物理工学科では、別系統である物質科学とエネルギー科学を融合させることで、新たなエネルギー分野を物質科学の観点から開拓するということを行っています。また従来全く別系統として理解されてきていた物質科学と複雑科学を量子力学の観点から融合する新たな物理分野開拓も行っています。このように既存の分野にとどまらない新たな物理学分野の開拓を行い、次世代の物理研究・イノベーションの創成に取り組んでいます。

物理工学×AI

ビッグデータから人工知能を用いて新しい材料を予測するマテリアルズ・インフォマティクス。センサーの信号を人工知能でその場で解析するエッジAI。このような未来を変革する技術には、人工知能のアルゴリズムだけではなく、物質の性質を理解する物理、デバイスの物理など幅広い学問領域が連携する必要があります。物理工学科では、このような物理をしっかりと学びつつ、連携大学院制度による最先端研究機関との連携や特設された研究部門内での連携を通じて、サステイナブルな未来を実現するための研究に取り組んでいます。

物理工学×宇宙

物理工学科*は、さまざまな学外研究機関と連携しながら、領域を融合した研究と社会実装に挑んでいきます。例えば物質科学分野と宇宙熱工学領域を融合した研究開発をJAXA(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構)と共同で実施。宇宙熱工学的観点による新しい機能性物質の開拓により、宇宙機や月面で活用できる次世代の熱デバイスや熱システムを生み出すイノベーションを起こしていきます。

物理工学科* 想定される進路

物理工学科*で身に付けた方法論はあらゆる分野で通用するため、物理学とテクノロジーの橋渡しができる人材として、広範な分野のメーカーや研究機関、さらにはコンサルティングなどの論理的思考を求められる分野での活躍が期待されます。

メーカー(情報通信業、機械器具、サービス業、卸売・小売業、運輸・郵便業、電子部品など)、公務員(官公庁および地方自治体)、知財管理者、研究機関、国際機関、大学院進学 ほか

New(2023年新設予定)

機能デザイン工学科*

Department of Medical and Robotic Engineering Design

「ヒトのカラダを助ける工学」実現のために
3つの柱で多角的にアプローチする。

人口減少と少子高齢化は、日本だけでなく先進国で進行中の社会課題です。年齢とともに衰える運動機能や認知機能を助け、人口が減るなかでも、人間のQOL=Quality of Life(生活の質)を維持して生きられるようにサポートする新しい工学が必要です。

機能デザイン工学科は、QOLの維持を工学でサポートする、「ヒトのカラダを助ける工学」を研究していく学科です。基礎科学の成果の上に、ナノスケールの医療であるナノメディスン(ナノ医療)やロボティクス(ロボット工学)、デザイン思考を掛け合わせることで、「ヒトのカラダ」に関わる様々な問題を解決し、人口減少社会のQOLを支えるイノベーションの創出展開をしていきます。

機能デザイン工学科

カリキュラムと学びの特長

専門の基礎となる基礎科学・デザイン思考・プログラミングを共通の学びとし、
卒業研究に接続するための専門性がより高い2コースでの学びへと発展させるカリキュラムを構成しています。

カリキュラムと学びの特長
Point 1

1、2年次は理学・工学の基礎としての物理、化学、生物学、数学に加え、機能デザインの理論と実験などを学び、社会課題に向き合うために必要な論理的思考を身に付けます。

Point 2

3年次から「メディカル機能工学コース」と「運動機能工学コース」を軸に学びますが、2コースの科目は固定ではなく、いずれからも選択して学ぶことが可能です。

Point 3

4年次はヒトの身体の代謝に関わる機能を助ける工学を研究する「メディカル機能」、ヒトの頭脳の中で行われる情報処理機能を助ける工学を研究する「知能認識」、ヒトの四肢の機能を助ける工学を研究する「運動ロボティクス」の3つの領域から卒業研究に取り組みます。

研究分野

「ヒトのカラダを助ける工学」を創出する3つの研究領域

「ヒトのカラダを助ける工学」を創出する3つの研究領域

ヒトの身体の中で起きる代謝を研究する

メディカル機能分野

●マテリアル ●メカノバイオロジー ●ナノメディスン ●バイオロジスティクス

ヒトの身体の中での代謝に関わる機能を助ける工学の研究です。薬は本来分子として患部で効くだけではなく、どうやって患部に運ばれてどのように効くかという多彩な機能を持つように設計されます。それを支配する細胞や組織の応答に注目したバイオメカニクス、薬の設計に注目したナノメディスン、高分子などの材料の科学を様々に応用することに注目したマテリアル、身体の中での物質やエネルギーの動きに注目したバイオロジスティクスなどの研究分野があります。

メディカル機能分野

ヒトの頭脳の中で起きることを探究する

知能認識分野

●フォトニクス ●イメージプロセス ●健康認知機能 ●デザイン学

ヒトの頭の中で行われる情報処理機能を助ける工学の研究です。頭が担う機能は、感覚器で得た情報を整理し、組み換え、再構築することで「わかる」形に変換されます。その機能を助けるのが「知能認識」の研究分野です。光を使ってカラダの様々な見えない情報までも見せようとするフォトニクス、画像情報を「わかる」形にまで高度なアルゴリズムで変換するイメージプロセス、データインフラを活用してビッグデータを収集し、健康管理に役立てる健康認知機能、これらを統合してイノベーションを起こす技術に展開するデザイン学の研究分野があります。

知能認識分野

ヒトの四肢の助けになることを追究する

運動ロボティクス分野

●ロボティクス ●障がい者スポーツ機能工学 ●ヒューマノイド運動機能 ●ヒューマノイド制御

ヒトの四肢の機能を助ける工学の研究を進める研究分野です。障がい者が走るために必要な義足などを研究する障がい者スポーツ機能工学、文字通りロボットの四肢の運動を研究するロボティクス、人に似た運動を行えるように設計されたロボットの機能を研究するヒューマノイド運動機能、ヒトが制御するようにロボットを制御するヒューマノイド制御などの研究分野があります。

運動ロボティクス分野

機能デザイン工学科* 想定される進路

工学の知識、デザイン思考で磨かれた利用者目線と創造性を武器に、QOLを支える業種の企業などを中心に、幅広いフィールドでの活躍が想定されます。

医療機器・手術補助ロボット・障がい者サポート機器・歩行補助ロボット・作業補助ロボット・産業用ロボット等の機械器具関連分野、製薬・バイオマテリアル・バイオテクノロジー等の化学工業分野、画像処理・情報処理・情報通信等の情報処理サービスおよび情報提供サービス分野、経営コンサルティング等の専門・技術サービス分野、大学院進学 ほか

電子システム工学科

Department of Applied Electronics

デバイス工学、情報工学、計測・制御工学など
世界の次世代インフラを構築する。

電子システム工学科では、工学全般にわたる基礎学力と応用力を醸成しながら、「電子デバイス」「ICTシステム」「知能制御システム」「コンピュータシステム」など先進工学分野の研究を実施。急速に情報化・データ化が進む現代社会で、広く人類に貢献できる創造力と国際性を備えた人材育成を行っています。

電子システム工学科

イノベーションの

相川研究室 | 相川 直幸 教授

「AI×畜産」で食の未来を守る

牛の飼育頭数が減少傾向の日本。背景に繁殖成績の低下があります。繁殖には牛の状態に合わせた適切な栄養管理が必要ですが、それには熟練した技術を持つ飼養者が不可欠でした。相川研究室では、乳用牛・肉用牛の体を傷つけることなく栄養状態を客観的に評価する方法を確立。繁殖の段階に応じた栄養状態の最適値をAIが解析し、給餌量を制御する「自動給飼システム」を開発しました。酪農・畜産業者の負担を軽減し、安定した繁殖率の維持を目指します。

AIを用いた自動給餌システム

相川研究室が開発した、牛の栄養状態を考えて自動で飼料の量を調節する「自動給飼システム」。

センパイの学科紹介

現代社会になくてはならない電子工学について幅広く学べ、多様な角度からの視点が身に付きます。

西谷 沙織さん

西谷 沙織さん 3年
兵庫県立長田高等学校 出身

※所属・学年は取材当時

所属学科について教えてください。

どんな学科、と一言で言い表せないほど幅広い知識が身に付くので、さまざまな角度から物事を見ることができるようになります。特に印象に残っているのは、制御や通信、コンピュータ、計測などの科目です。学んだ知識が身の回りにあるものにそのまま利用されていることも多いので、研究が社会の役に立っているのだと実感できます。

大学や学科での学びで、身に付いたことや自分が成長したと思うことは、どんなことですか?

入学前に聞いていた通り、課題やレポートが多く、最初はかなり苦しみました。どの科目でいつまでの課題が出ているかわからなくなるほどだったので、まずは徹底的にスケジュールを管理することから始め、今では出されたその日のうちに課題を終わらせることも珍しくなくなりました。厳しい環境に身を置くことで、自分を律することができるようになったと思います。

高校生へ向けて大学受験等のアドバイス・メッセージをお願いします。

私は高校三年のときのセンター試験当日にインフルエンザで発熱する、というハプニングもあり、一年間浪人しました。どんな結果になってもそれが自分の全力の結果なら後悔はないと思います。しかし万全の体調でなければ力は発揮できません。どうか体調管理には気をつけて!

マテリアル創成工学科

Department of Materials Science and Technology

膨張した人類文明の未来を担う
マテリアルイノベーションを起こす。

物理、化学、力学をベースとして理学と工学の成果を結集し、材料工学に関する研究・教育を横断的に展開します。「新素材デザイン」「新機能デザイン」「環境・エネルギー」「航空・宇宙」の4方向の研究により、持続可能な社会の実現に向け、イノベーション創出に繋がるマテリアルの研究開発を目指します。

マテリアル創成工学科

イノベーションの

菊池研究室 | 菊池 明彦 教授

バイオマテリアルが「健康と福祉の推進」に繋がる

菊池研究室では、骨の再生を促す「ハイブリッドマテリアル」や、体内での薬の働きをコントロールし副作用を抑制する「ドラッグデリバリーシステム」など、人体の機能を補う・置き換える材料の「バイオマテリアル」の特徴を生かした薬を効率よく体内に届ける研究を推進しています。画期的なバイオマテリアルを探しながら研究を積み重ね、医療の進歩と、多くの人の健康に貢献するため、医療を革新する未知の発見を目指して研究を続けています。

人体に役立つ材料「バイオマテリアル」

人体に役立つ材料「バイオマテリアル」

センパイの学科紹介

材料工学を学んでいくうちに、「やってみたい!」と思える分野に出会えます。

山田 直季さん

山田 直季さん 3年
千葉県立長生高等学校 出身

※所属・学年は取材当時

所属学科について教えてください。

材料工学の幅広い分野について学ぶことができます。材料工学には興味がある一方で、具体的に研究してみたい分野が決まらないという人でも、講義を通じてさまざまな材料工学の知識を身に付け、どんな分野に進んでも対応できる実力をつけながら、自分が本当に研究したいと思えるテーマを見つけることができます。

学科での学びを、どのように自分の将来や社会に生かしていきたいと考えていますか?

材料工学について学んでいくうちに、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)という材料に出会いました。軽くて丈夫かつエネルギー効率が良く、プラスチックですが航空機や宇宙でも使われるほど強度の高い複合素材です。将来はこの材料の研究を通じて、「空飛ぶクルマ」など空想の世界を具現化できるような研究開発に携わりたいと考えています。

高校生へ向けて大学受験等のアドバイス・メッセージをお願いします。

私の場合、大学受験の勉強をやっている時は非常に苦しくて長いように感じていましたが、気づいたらあっという間に受験本番を迎えていました。そのため、受験生の皆様には是非悔いが残らないように日々全力で勉強してほしいです。応援しています!

生命システム工学科

Department of Biological Science and Technology

生命の神秘を解明しながら
食や健康など、人類のQOL 向上に貢献する。

「分子生物工学」「環境生物工学」「メディカル生物工学」の3分野を研究フィールドとして生化学、遺伝学、生理学、分子生物学、細胞生物学、有機化学など多岐にわたる手法から、幅広い研究を展開します。現代社会の多様で複雑な課題に対して分野横断的イノベーションを創出し、世界の人々のQOL(生活の質)向上を実現していきます。

生命システム工学科

イノベーションの

有村研究室 | 有村 源一郎 教授

ミントで病害虫被害を減らし、農業生産性を向上する

「農薬を使わずに害虫を避ける農業」を提案する有村研究室。そのカギは「ミント」です。多くの植物は虫に葉を食べられると防御策を講じ、ミントも強烈な香りを放って虫を追い払おうとします。この香りに周囲の植物が反応し、一斉に防御策を取り始めるといいます。実験ではこの効果で葉の虫食いが激減し、農薬の使用量も半減。農薬の購入困難な地域でも利用でき、貧困地域の農業生産性を向上できれば、貧困や飢餓を減らすことに繋がります。

農作物の病害虫被害を減らす可能性を秘める「ミント」

農作物の病害虫被害を減らす可能性を秘める「ミント」(左)

センパイの学科紹介

分野横断的に学べるこの学部だからこそ生物分野を超えてたくさんのことが学べました。

南川 夏己さん

南川 夏己さん 4年
東京都立八王子東高等学校 出身

※所属・学年は取材当時

所属学科について教えてください。

生物学の基礎から専門知識まで幅広く学ぶことができ、遺伝学や有機化学など研究テーマは多岐にわたります。生物学の研究には、物理や化学などの知識が不可欠ですが、他学科の友人に相談しながら、専攻の学習のみにとらわれず分野横断的に学ぶ姿勢が身に付きました。

大学や学科での学びで、身に付いたことや自分が成長したと思うことは、どんなことですか?

理科大は、勉学以外のことにも全力で取り組む人が多いです。私もアメリカンフットボール部のマネージャーをしています。土日も活動しているので、勉強との両立は大変でしたが、時間の有効的な使い方を身に付けることができました。理科大で過ごすうちに、やると決めたことは最後まで全力でやり抜くという考え方が身に付いたことも成長に繋がっていると思います。

高校生へ向けて大学受験等のアドバイス・メッセージをお願いします。

息抜きもしながら、最後まで諦めずに頑張ってください!!