現在私たちは、解決しなければならないたくさんの課題に直面しています。国連が2015年に掲げたSDGs「17の目標と169のターゲット」の達成期限まではあとわずか8年。さらに、全世界を巻き込んで今も続く、新型コロナウイルス感染症によるパンデミック。今後も私たち人類は、こうした「未知の脅威」との闘いにも心を配らなくてはならないでしょう。だからこそ現在、Science、Technology、Engineering、Mathematicsを範疇とする教育分野STEMにLiberal Arts(芸術・教養)を加えた「STEAM」が注目されています。
これまでもSTEAMから生まれた、インベンション(=Invention 多彩な発見や発明)とイノベーション(=Innovation 科学技術の成果などを社会で活用し変革を起こしていくこと)は、各時代の社会課題や困難を解決してきました。現在の難題についてもSTEAMの成果により、大きな前進があることが期待されています。ただ、現代世界が抱える多くの課題は、多様な要因が複雑に絡み合っており、1つの学問分野だけで解決することは困難です。さまざまな学問分野のスペシャリストが分野を越えて連携・融合して、インベンションとイノベーションを生み出すことが重要となっています。
東京理科大学は、2021年に創立140年を迎えるにあたり、あらゆる分野で活躍できるスペシャリティの高い、優れたインベンションとイノベーションを創出する理工人材を育成するために、学部学科の再編計画をスタートさせました。来る2023年には、理工学部と先進工学部の2学部が再編されます。
学内最大の10学科を擁し、真理を探究する理学系学科とその成果を広範に活かす工学系学科とが響き合う「共響(きょうめい)」により、まったく新しい領域と成果を生み出すことに挑む理工学部(=創域理工学部)と、エレクトロニクス、ナノテクノロジー・材料科学、バイオテクノロジーに代表される既存の分類を越えた最先端工学と基礎科学を、「デザイン思考」のもとに有機的に織りなし、イノベーション創出を目指す先進工学部。2学部はそれぞれアプローチこそ違いますが、今こそ必要とされる「学問分野を越えて連携・融合できる理工人材」を育てるための環境をさらに整備し、大きな進化を遂げる予定です。
SDGsが掲げる目標とターゲットの達成期限は2030年。そしてそれ以降も新しい課題が生まれるはずです。こうした課題や困難の解決と、その先に訪れる未来を輝かしいものとする力と役割が、東京理科大学の卒業生たちには求められています。
SDGsのその先へ。東京理科大学は2030年の先の世界を一緒に拓く、仲間を求めています。
学部名称と7学科の名称変更
2022 年度入学者を最後に学生募集を停止
2023 年度、先進工学部物理工学科*として改組
* 2022 年度入学者までは、卒業まで理学部第一部応用物理学科所属となります。2023年度の改組後もカリキュラム等に影響を受けることはありません。
これまで2日に分けて実施していた理学部第一部の試験を1日に統合し併願可能とします(受験科目が同一の場合に限る)。あわせて、工学部の試験日をこれまでの2月9日から2月8日に変更します。
2023年度より、特定の専門分野への関心・意欲が高い志願者を対象に、専門性を重視した独自試験「S方式」を新たに導入します。
数理科学科・電気電子情報工学科の2学科で実施!
各学科の分野を幅広く学んだうえで専門分野を選択する「共通コース」に加え、入学時点で志望する分野(系)が定まっている学生に向けた「専門コース」を設置し、独自試験(S方式)による選考を行います。
数学または物理が得意な方は大チャンス!
S方式入試では、各学科の要となる科目の配点を大きく設定しています。
入学時から専門分野の学修・研究に専念できる!
通常、1年次または2年次の修了時に興味に合わせて系を選択しますが、S方式で入学した学生は、入学時から専門コースとして、志望する分野の専門教育・研究をいち早くスタートすることができます。
専門コース
「数学系」 「先端数理系」
純粋数学を探究する「数学系」と、応用数学を目指す「先端数理系」の2つの系を設置。専門分野についての見識を広げる一部科目を1年次から受講できるほか、自主ゼミのマネージメント支援など、学修・研究を支援する制度が充実しています。
また、学科教員によるキャリアパス相談会を1・2年次から実施するなど、早い段階から進路に関するサポートを受けることが可能。特に教職関連科目は両方の系で提供され、数学系・先端数理系、それぞれの系の特色を身に付けた教員となる道も用意されています。
専門コース
「電気・制御システム系」 「エレクトロニクス・マテリアル系」 「情報・通信システム系」
電気エネルギーの適切な変換や輸送、制御を学ぶ「電気・制御システム系」(電気工学)、デバイスの基幹をなす材料や物性、回路を学ぶ「エレクトロニクス・マテリアル系」(電子工学)、コンピュータによる情報の処理・加工・通信技術を学ぶ「情報・通信システム系」(情報工学)の3つの系を設置。専門コースの学生は、各分野への専門性を高めるため、グループ活動を行う科目では、同じコースの学生とグループを組んで調査研究を行います。
また、卒業研究での優先配属が行われるため、3年次までに履修した興味を持っている分野の知識を生かした研究活動を行うことができます。
S方式概要