INTERVIEW

プログラムに参加した理由を教えてください

大学2年生の夏休みに、両親から国際支援課が発行している留学パンフレットを紹介されました。「大学でこういうプログラムがあるみたいだよ。お金のことは気にしなくていいから、よかったら行ってみたら?」と優しく声をかけてくれたのを覚えています。紹介されたときにとても心が躍り、行きたい気持ちが強かったのですが、海外経験がなかったこともあり、不安で悩んでいるうちに春留学の申込期間が過ぎてしまいました。春に語学研修に参加した友達の話を聞き、留学に行けばよかったととても後悔しました。
参加を決めた時は、大学3年生の夏休みということもあり、一般的には就職活動を始める時期なので、不安もありました。しかし、人生は一度きりであり、家族を含め周りの人たちも背中を押してくれたため、海外留学に行くことを決めました。今までアジアの国々に目を向けることはなかったのですが、フィリピンは発展途上国であり、とても刺激になるだろうと思いました。

プログラムのスケジュールを教えてください

基本的な1週間の流れとしては、月曜日から木曜日まで朝8時から授業が始まり、午前と午後で50分×4コマの計8コマで17時50分に終業でした。個人レッスンが4コマ、グループレッスンが4コマありました。毎朝7時に起き、夜は11時に寝ていました。普段の大学の授業は1日2、3コマしかなかったので、1日8コマはかなりきつかったです。授業終わりに近くのモール行きのシャトルバスもありましたが、疲れがひどくてなかなか行けなかったのが心残りです。
私たちのプログラムは2週間だったので、1週目の月曜日に入学セレモニーとテスト、学校案内がありました。2週目の金曜日には卒業テストと卒業式が行われ、1人ずつ2週間の振り返りスピーチをしました。
土曜日の午前中は、マニラのスラム街であるハッピーランドに行きました。そこは地方から仕事を求めてきた人たちが、海の上にトタンや木でできた家に住んでいる街でした。そこにいる子どもたちと私たちで考えたゲームをしたり、日本のダンスを教えたり、一緒にご飯を食べたりして交流しました。その後、都心から少し離れた場所にある子どもを支援する施設に行きました。そこでは親と一緒に住めなくなった子どもたちが住んでおり、折り紙やダンスを一緒に楽しみました。
日曜日には先生のガイドの下、マニラ市内の有名な観光地を訪れました。最終日の卒業式後の自由時間には、マニラ市内のモールや先生おすすめのレストランで食事を楽しみました。たった2週間でしたが、みんなと仲良くなれて、とても楽しかったです。

現地の人との交流について教えてください

週末の言語学校のボランティア活動で現地の人と交流できました。ハッピーランドの子どもたちはみんな人懐っこく、私の拙い英語でもコミュニケーションを取れたことがとてもうれしかったです。別の施設の子どもたちは中学生ぐらいの子が多く、また違った関わりを持ててよかったです。
先生方はみんなフィリピン人で、授業のときにフィリピンのことについてたくさん教えてもらいました。教育、暮らし方、流行のものだけでなく、恋バナなど様々な話をしました。現地でもドラえもんやワンピース、ジブリが有名で、ある先生から「Japanese cartoon face」と言われたのが面白かったです。日本にいたら絶対に言われないことですが、しずかちゃんに似ているとも言われました(笑)。
フィリピンの言語は英語とタガログ語(現地の言葉)です。先生の中にはもともとタガログ語しか話せなかった方もいました。その先生も英語を勉強して、今では教える立場となっていることを尊敬すると同時に、自分への励みにもなりました。授業では先生たちとこういう話をすることが一番の楽しみでした。

印象に残った出来事はありますか?

ハッピーランドに行った際、お昼ご飯の時間にファストフードを一緒に食べたのですが、「弟に食べさせるために今は食べない」と言う子がいました。これが一人ではなく、数人の子が同じことを言って食べていませんでした。7歳前後の子が家族のことを考えて食べるのを我慢する姿に、言葉にできない思いを抱きました。この行動が良かったのか悪かったのか、今でもわかりませんが、その子たちに自分のご飯をあげました。
日本にもこのような状況があるのかもしれませんし、世界にもたくさんあるのかもしれませんが、私の知っている世界は本当に狭いものだったのだなと思いました。また、言語学校の日本人のサポートの先生からは、「地方から、仕事を求め、また国の環境を良くしたいという思いで都心に来る方が、結局はスラム街を形成してしまい、本末転倒になっている」というお話もありました。
高校、大学と不自由なく通い、衣食住の揃った生活をしている私はなんて幸せなのだろうと思いました。このような機会を得られたことだけでも、このプログラムに参加してよかった理由の一つです。

参加前と参加後で、意識など変わったことはありますか?

ボランティア活動や市内観光を通して、発展途上国フィリピンについて多くのことを知ることができました。また、以前よりも自分を客観視できるようになり、自分の考えの深さも増したと思います。今自分が置かれている状況や、何が大事なのかを見つめ直すきっかけにもなりました。
英語の上達度は他のプログラムと比べると小さいかもしれませんが、週末になると週明けよりもリスニング力が向上しているのがわかりました。英語学習のモチベーションにもなっています。英語をもっと話せるようになって、現地の人とコミュニケーションをとりたい、その国のことを知りたいという思いがより強くなりました。
アルバイト中、以前は外国人の方がいてもなかなか話しかける勇気がなく、必要以上の会話はしていませんでした。現在お蕎麦屋でアルバイトをしているのですが、たまにいらっしゃる外国人の方に「旅行ですか?」などとまだまだ拙い英語ですが話しかけるようにしています。このようにコミュニケーションをとれることが楽しいです。

フィリピンプログラムへ参加しようと考えている人へメッセージをお願いします

今、海外留学に行くか悩んでいる人だけでなく、視野を広げたい人にもおすすめです!二週間という短い期間なので、挑戦しやすいプログラムだと思います。現地の方々もみんなフレンドリーで、寄り添いながら授業を行ってくれるので、何も心配はいりません。英語学習だけでは収まらないほどのたくさんの経験ができ、本当に行って良かったと思います!

※所属と学年はインタビュー当時のものです。

※所属と学年はインタビュー
当時のものです。