インストラクターブログ

最速降下曲線再考(2)

こんにちは。学生スタッフのM.K.です。4月に『最速降下曲線再考』というブログを書きました。時間が空いてしまいましたが、「大きさのあるボールが転がる場合、降下時間を最小にする曲線はどのような形か?」という問題について考えたので、その結論をここに記します。

答えを述べると、降下時間を最小にする曲線はボールの大きさを無視したときと同じで、サイクロイドになります。

以下では途中の計算式を省き、大まかに述べることにします。曲線の形をfで表し、ボールの大きさを考えた(=ボールの回転を考えた)ときの降下時間をT[f]、ボールの大きさを無視した(=ボールの回転を考えない)ときの降下時間をT’[f]と書きます。計算するとT[f]>T’[f]となることがわかりますが、その違いは定数kを使ってT[f]=k×T’[f]と書けます。kの値はずっと変わらないので、曲線fが変わってT[f]が増加(減少)するとT’[f]も同じく増加(減少)します。したがって、T[f]を最小にするfとT’[f]を最小にするfは同じです。言い換えると、ボールの大きさを考えたときも、降下時間を最小にする曲線はサイクロイドになります。

テニスボールを転がすなるほど館の展示は、最速降下曲線と名乗っても問題ないということがわかりました。これからも自信をもってお客様に「これが最速降下曲線です!」とご紹介していきたいと思います。


計算して確認してます