インストラクターブログ

最速降下曲線再考

こんにちは。学生スタッフのM.K.です。

スタッフたるもの、展示物の仕組みやその背景にある数理はよく理解しておかねばなりません。しかし自分が理解できていると思っていた展示物でも、お客様とのやり取りの中で新たな疑問が湧いてくることがあります。

先日お客様に最速降下曲線を紹介していた時、お客様からこんなお言葉をいただきました。

「実際には大きさのある球が転がっているわけですが、大きさのない球が摩擦のない斜面を滑っている問題で近似しているんですよね?安易にそういう近似をするのは危ないんじゃないかと思うんですよね。」

私はこの指摘を受けてなるほどと思いました。同じ球の運動でも、斜面を転がり落ちる場合より斜面を滑り下りる場合の方が早く落下することが知られています。学部1年生の力学の授業で学んだはずなのに、その考えに至れなかったことを不甲斐なく感じました。

この疑問を解消するためには一般的な曲線を大きさのある球が転がり落ちる場合の降下時間について考察すればよいですが、一筋縄ではいかない問題だと思います。このブログでまとめるのは少し大変なので、機会があれば改めて書きたいです。

他にも、日々の業務の中で様々な疑問が湧くことがあります。そのような疑問から目を背けず、真摯に向き合っていくことが大切だと思います。

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最速降下曲線の展示