私がおすすめする本

柳田 信也
柳田 信也教授
行動生理学、運動生理学
野田キャンパス教養部
  • 読書習慣がない人に
    1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書
    1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書
    藤尾秀昭
    致知出版社
    2020年

    “読書をしましょう。本を読むことは大切だ。このようなことは幼いころから何度も耳にしてきたのではないかと思います。しかし、この行動にも好き嫌いはあって然るべきです。良いことだとわかっていても習慣化できないのは、日常的な運動と似ていると考えています。運動も始めるまでは億劫に感じるものの、いざ身体を動かしてみると非常に良い気分を味わうことができたというような経験があるのではないでしょうか。新型コロナウイルス感染症流行下において、自宅にいる時間が増えた今、毎日少しずつでも本を開いてみる習慣を始めることから読書習慣の獲得を目指してみませんか?
    この本は、企業や芸術・文化、スポーツ界など多様な社会で活躍をした人々の思いや言葉が、1日1話、1ページで完結します。内容も実に端的で“心が熱くなる”格言が詰まっており、興味深いものです。毎日1ページの習慣から、気になった人の図書を検索するような行動変容がみられるかもしれません。”

  • 社会で勝つために
    勝利のチームメイク
    勝利のチームメイク
    岡田武史・平尾誠二・古田敦也
    日経ビジネス文庫
    2008年

    どのような職業に就こうとも、他者とコミュニケーションを図り、円滑に組織を運営していくことが求めれることが非常に多くあります。チームビルディングは多様化する社会で活躍するための必須な能力であると言っても過言ではないかもしれません。サッカー、ラグビーそして野球という全く異なるスポーツの監督や選手が何を考え、組織に落とし込んでいるのかという生の声を感じることができるこの本は、働くということ=プロになることの意味を教えてくれます。また、組織を牽引するリーダーとして、“人を活かす(生かす)”ことをどのように捉えるべきなのか、という深い学びもあります。東京理科大学を卒業した学生は、どんな舞台に立つかは多様でも、リーダーシップを発揮する存在になってほしいと願っています。その下地になる本であると思います。
    余談ですが、この本を読むとファン目線で簡単に監督批判や采配に対する否定的な意見が出せなくなるかもしれません・・・(笑)競技に関係なく、監督はこれほどまでに考えているのか、というスポーツを見る目を変えてもらえると嬉しく思います。

  • 脳を鍛えるには運動しかない
    脳を鍛えるには運動しかない
    ジョンJ.レティwith エリック・ヘイガーマン
    NHK出版
    2009年

    運動を実施する目的は?と問われると筋肉を増やす、脂肪を減らすというような身体的効果について注目する人が多いと思います。しかし、この本の論旨は、運動の効果は“脳を鍛えること”に尽きる、というものです。最新の科学的知見を基にした運動が脳神経細胞に及ぼす分子レベルの影響から、学校や施設での実践例に至るまで、運動が脳機能を高める効果について幅広く網羅した素晴らしい本です。新型コロナ感染症流行下において、身体活動量が低下している今だからこそ、運動をする本当の意味を理解するためにこの本をオススメします。