FDセミナー
大学設置基準や中央教育審議会の答申にもあるとおり、大学は授業の内容や方法の改善を図るための組織的な研修を実施することが求められています。しかしながら、大学の教員は高等学校以下の教員と異なり教員免許制度がなく、教授法を学ぶ機会は極めて限定的で、能力開発が十分に行われているとは言い難い状況にあります。
教育DX推進センターでは、教授法・講義技術の修得、教育改善・質向上に係る最新のトピックに関連する知識修得等の機会として、FDセミナーを年3回程度開催し、教員の能力・資質等の向上を目指しています。
なお、2023年度からは、新任教員向けFDプログラムの一環としても開催しています。
動画コンテンツの教育への活用
※大学教育再生加速プログラム事業の一環として、2019年度まで授業収録配信システム(収録業務の外部委託等)を活用していました。
現在は同システムのノウハウを踏まえた「ソフトウェア(Zoom、Camtasia等)や教室設備を活用した動画コンテンツの作成、活用」を全学的に実施しています。
動画コンテンツ作成の概要
本学では、一部教室に設置したカメラや動画編集ソフトを活用して、授業の映像及び音声を収録する環境を整備しています。
これらの環境を活用し、教員自身が授業内容の収録や予習コンテンツの作成を行うなど、授業内容をデジタルコンテンツ化しLETUS(学内LMSの名称)等を経由して配信しています。
本センターでは、当該取組について講習会やセミナー等の活動を通じた利活用支援や啓発を行っています。
具体的な活用例
(1)予習用
主にオリジナル動画の作成や授業の様子を収録した動画を編集して使用することを想定しています。
具体的な使用用途として次の例が挙げられます。
[例]
・反転授業を行う場合の事前の知識習得を目的とした動画の作成
・学生が次回の授業の概略や準備すべきことを事前に確認できる動画の作成
(2)復習用
主に授業の様子を収録し、コンテンツ化することを想定しています。学生の復習用としてだけでなく、やむをえず欠席した学生への補講用の材料としても活用できます。また、プレゼンテーションなどのアクティブ・ラーニング形式で行った授業の場合、自らの発表者の姿を再度確認することで、発表能力の向上へつながります。
(3)授業の補助教材用
授業内容の補助教材として動画が活用できます。例えば、教室での再現が困難な事象や実験における器具の使用方法、実験手順の詳しい説明などを事前に収録して授業内で投影することも考えられます。
シラバスの点検・改善
本学では「シラバス作成要項」を作成し、全授業担当教員に周知しています。 同要項ではシラバスの役割、作成上の注意、留意事項等を記載しており、同要項に基づくシラバスを作成することで、全学統一の指針に基づくシラバス作成、授業の実施を実現しています。 また、シラバスの記載内容を各学部学科、研究科専攻において組織的に点検、整備することも記載しており、シラバスの作成とその内容の適切性を全学的に担保することに努めています。(詳細は本センター活動報告書を参照)
GPA
本学では、学生の学業成績を客観的かつ厳格に評価することにより、教育の質向上に資することを目的に、2008年度から学部学生を対象にGPAを導入しています。 GPAの算出にあたっては、下表のとおり、表記に応じたGradeを付与しています。
判定 | 表記 | 評価点数 | Grade | 評価基準 (評価不能は評価の説明) | |
---|---|---|---|---|---|
合格 | 秀 | S | 100~90 | 4.0 | 到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている |
優 | A | 89~80 | 3.0 | 到達目標を十分に達成している | |
良 | B | 79~70 | 2.0 | 到達目標を達成している | |
可 | C | 69~60 | 1.0 | 到達目標を最低限達成している | |
不合格 | 不可 | D | 59~0 | 0 | 到達目標を達成していない |
評価不能 | – | 評価不能 | 0 | 学修成果の評価を判断する要件を欠格している |
GPAは、Gradeに基づき各年度で算出されるGPA(年度GPA)と在学中の全期間を通じて算出されるGPA(累積GPA)の2種類を以下の方法により算出しています。
年度GPAの算出方法
累積GPAの算出方法
GPA算出の対象とする授業科目(対象授業科目) は、卒業所要単位数に算入する全ての授業科目ですが、以下の授業科目は対象から除外しています。
【対象授業科目から除外している科目】
- 合格又は不合格のみにより評価する授業科目
- 本学学則第15条、第15条の2及び第15条の3の規定により、単位の認定を行った授業科目
- 【2021年度以降入学者】
不合格又は評価不能と判定された授業科目で、その後改めて当該科目を履修して合格と判定された場合の不合格又は評価不能と判定された年度・学期における当該授業科目
【2020年度以前入学者(2020年度以前の年度の標準学年次に編入学、再入学、転学部、転学科した者を含む)】
各学科が定める必修科目において不合格又は評価不能と判定された授業科目で、その後改めて当該科目を履修して合格と判定された場合の不合格又は評価不能と判定された年度・学期における当該授業科目
なお、GPAは教学IR小委員会による各種分析・評価、成績優秀者を対象とした当該年度に履修できる単位数の上限以上の履修許可 (2019年度入学者から適用)等に活用しています。
FD通信の発行
「FD通信」は、学内で実施されている各種FD情報を発信する貴重なメディアです。時には「特集号」も弾力的に企画・編集するなど、本学のFDの実施状況に合わせ迅速な発行体制を整えて、有益な情報発信を行っています。
※FD通信は、第70号(2022年10月発行)をもってその役割を終えることとなりました。今後は本ホームページで情報を発信していきます。