「全力で勉強し、全力で遊んできた学生時代の原体験こそ、今の私の原動力です」
日本中の街から人が消えた2020年。コロナ禍の静かな渋谷で40万人もの人が参加したハロウィーンイベントが開催されていたことをご存じだろうか。『バーチャル渋谷au5Gハロウィーンフェス』。参加者は、自宅にいながら、仮装した自身のアバターを使い、渋谷区公認の仮想空間『バーチャル渋谷』の散策ができるというこの企画は、国内外から大きな反響を呼んだ。このイベントの仕掛け人の1人が、繁田さんだ。
入社当初、携わっていたau初のカメラ付きケータイの大ヒットを機に、企画の面白さに目覚めたという繁田さんは、今では約80ものエンタテインメント事業を取り仕切る責任者だ。「もともとテクノロジーが好きなので、最先端の技術に自分の好きなカルチャーやスポーツなどを掛け合わせながら、社会に新しい価値が提供できないかを考えています」。現在のコロナ禍についても「オンラインの活用やデリバリーなど、技術を味方に、ウイルスから身を守りながら楽しみ方を模索する人々の"生き抜く力"を感じています。我々も時代の変化を柔軟に捉え、まずはやってみる。ダメでも諦めるのではなく、スピード感をもってトライし続けることを常に意識しています」と語る。バーチャルシティは、すでにエリアが拡大。今後もリアルとバーチャルの境で、新しいサービスを拡充させていくと言う。また「TELASA」や「smash.」といった他企業とのコラボで生まれた映像サービスや大学スポーツ協会の「UNIVAS」にもトップパートナーとして参画している。繁田さん自身、在学中は硬式野球部に所属、主将を務めた。監督不在のチームを率いた当時のマネジメント経験はとても貴重だったと言い、恩返しの意味も込め、多くの学生が勉強とスポーツを両立できるよう市場を拡大していきたいと考えているそうだ。「全力で勉強し、全力で遊んできた学生時代の原体験こそ、今の私の原動力です。何事にも全力で取り組んで『これだ!』と思うものを見つけることができたなら、きっと素晴らしい人生になると思います」。常に10年先を見据えるアイデアマンならではの力強いエールだ。
