2017年、ドミニカ共和国の数学教育を日本が支援する3年プロジェクトがスタートしました。駐ドミニカ共和国日本大使の牧内博幸氏が、教育に力を入れ始めた同国政府に協力を申し出て実現したものです。日本側は、秋山仁館長を先頭に数学体験館が総力をあげて教具や教材を作って寄贈したほか、関係者が現地を訪問して講演活動も積み重ねました。
2017年11月29日、旧市街にある「文化通信博物館」内にラテンアメリカ初という「数学博物館」がオープンしました。東京理科大数学体験館チームは11月24日から30日までドミニカ共和国に滞在し、5つの大学で講演したほか、文化通信博物館で「教具の解説ができる説明員養成講座」を開きました。また、牧内大使と秋山館長は朝のテレビ情報番組に生出演したほか、新聞各紙の取材を受けました。

 
ドミニカ共和国のテレビ番組「UNO+UNO」(1+1)に生出演した牧内博幸大使と秋山仁教授=2017年11月28日

ドミニカ共和国のテレビ番組「UNO+UNO」(1+1)に生出演した牧内博幸大使と秋山仁教授=2017年11月28日

 
ペドロ・エンリケ・ウレーニャ大学での秋山仁教授の講演=2017年11月29日

ペドロ・エンリケ・ウレーニャ大学での秋山仁教授の講演=2017年11月29日

 

2018年は9月30日から10月11日まで滞在し、教員や教職志望の学生対象の講演を6回開き、説明員養成講座も実施しました。2019年はコロナパンデミックのため日本からの渡航ができませんでしたが、1997年の国際数学オリンピックで日本人女性初の金メダルに輝いた中島さち子さんが当時住んでいたニューヨークから2度ドミニカ共和国を訪れ、数学の楽しさを広めました。ジャズピアニストである中島さんは、演奏も披露しながら数学を語り、好評を博しました。

 
ントドミンゴ地区教員人材育成学院での秋山仁教授の講演=2018年10月9日

サントドミンゴ地区教員人材育成学院での秋山仁教授の講演=2018年10月9日

 
数学教師を対象に、音楽を通して数学の面白さを語った中島さち子さん=2019年6月13日、青少年児童図書館

数学教師を対象に、音楽を通して数学の面白さを語った中島さち子さん=2019年6月13日、青少年児童図書館

 
北サントドミンゴ市のセントロ・デ・エクセレンシア学校での数学ワークショップ。右端が中島さち子さん=2019年6月15日

北サントドミンゴ市のセントロ・デ・エクセレンシア学校での数学ワークショップ。右端が中島さち子さん=2019年6月15日

 

ドミニカ共和国ではこの間、数学博物館をより子どもたちが利用しやすいように青少年児童図書館内に移転させる準備が進められました。

こうして、2020年12月14日にその名も「秋山仁数学体験館」と代わってリニューアルオープンしたのです。
(肩書はいずれも当時)