INTERVIEW

留学の動機を教えてください 

高校の時、アメリカに語学留学に行った経験があり、大学では自分の専門分野をより深めるための留学をしたいと考えていました。ヨーロッパの歴史的建築や都市構造に直接触れ、それらに対する現地での考え方を学び、修士論文の糧にしたいと思ったのが留学の動機です。

現地の授業の様子や現地の人との交流について教えてください 

ウィーン工科大学では、デザインスタジオを中心に履修を組みました。デザインスタジオは、教授とアシスタントの先生方から(基本的に)毎週1回、自分の設計へフィードバックをもらうような形で、日本の設計製図の授業と似ています。ウィーン工科大学は規模が大きく、履修の自由度も高い大学なので、1学期で選べるデザインスタジオの数は(英語で開かれるものだけで)20ほどありました。自分の興味にあったトピックと出会えるので、この多さはありがたかったです。

また、ウィーン工科大学は学生数が多いので、グループ課題が多く、おのずと現地の学生と一緒にプロジェクトを進める機会がありました。留学生も多く受け入れている大学で、留学生たちのコミュニティに入れるよう学生団体がサポートしてくれたので、オーストリア以外のヨーロッパの国出身の学生と交流する機会もありました。彼らとは留学生ならではの苦労を共有しあえるので、すぐ打ち解けることができました。

日本では見られない光景やエピソードはありますか? 

留学先のオーストリアはヨーロッパの中でも中央に位置し、隣国と陸続きなので、物理的・心理的に他国に足を延ばしやすい環境でした。国境を越えて現地実習を行う授業も数多くあり、教授たちもドイツやスイスの大学との様々な共同プロジェクトを持っています。私自身、夏休みの期間を使ってイタリアのデザインプログラムに参加し、ローマ近郊の小さな街で2週間、現地の人と密に交流しながら勉強する機会がありました。

留学で実感した自身の成長を教えてください。また、留学の経験を今後どう活かしていきたいですか? 

留学中はヨーロッパの国一つをとっても、地形や歴史によって都市の形成のされ方が大きく異なることを肌で感じられたと思います。ウィーンという都市が持つ役割・特徴や、ヨーロッパの他の都市との地形・歴史・政治的背景における相違点や類似点などについての理解が深まり、ひいては東京や日本の各都市がどういった性格を持っているのかを考える良い機会になりました。

また、言語やバックグラウンド、受けてきた教育が違う人たちと協力し、プロジェクトを進めていくことの大変さを知ったことも大きな成長になったと思います。当たり前と思っていることでも相手に伝えそびれることがないよう、このくらいわかってくれるだろうと甘えず、些細なことでもイメージの共有をするように心がけました。

まずは修士論文にこれらの気づきを活かしていきたいと思います。そして将来、国内外問わず様々な立場の人と協働する時に、今回の学びを活かしたいと考えています。

留学を考えている人へメッセージ 

海外の授業において、言語は大きな壁となることもありますが、そんな時は理科大で学んだことが皆さんを支えてくれるはずです。海外で生活すること、同じ分野を勉強する学生と交流を持つことは、新たな発見と刺激をたくさん与えてくれます。ぜひ留学に挑戦してみてください。

※所属と学年はインタビュー当時のものです。

※所属と学年はインタビュー
当時のものです。