インストラクターブログ

終端速度(後編)

こんにちは。学生スタッフのA.S.です。私が高校時代に物理を勉強していて面白いと感じた「終端速度」というものについて書いたブログの後編です。

前編の整理をすると、まず「物が落ちる」ときの力FはF=mgです。そして「物が落ちるスピードには限界がありそう」の原因は空気抵抗で、その力fはf=-kv ※kは比例定数 でした。

これらをまとめると落ちている物に働いている力を足し合わせるとF1=mg-kvあることが分かりました。落下速度が限界になるときには、物が落ちる力すなわち万有引力と空気の抵抗力は同じになって全体の力F1が0になります(同じでないときは万有引力が強いので加速しますね)。つまり0=mg-kv、mg=kvとなり、\(v= \tfrac{mg}{k} \)に変形できます。これが終端速度と呼ばれているものです。

さて前編の冒頭で、人間がビルの上から落ちたらひとたまりもないが蟻が同じように落ちても平気である、と言いました。終端速度\(v= \tfrac{mg}{k} \) に注目してみましょう。重力加速度gは定数、kは比例定数なので変化しません。なので終端速度は質量に比例して大きくなったり小さくなったりすることが分かります。つまり質量の小さい蟻はすぐに終端速度に到達するので平気というわけです。

余談ですが、空気抵抗は空気に向かうときの面積(投影面積)によっても変わります。例えば人間が寝た姿勢で落ちるのと、立った姿勢で落ちるのでは抵抗が変わるということです。そしてこれは落ちるとき以外にも関係があります。だから弾丸はできるだけ先端を尖らせていて、車や新幹線なども前が細くなるような形にしています。

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重力と振り子と富士山