こんにちは。学生スタッフのA.S.です。前回のブログ「ドーナツとマグカップ」の続きになります。世界的に有名なゲーム「ドラゴンクエスト」に隠れているトポロジー的な面白い話について書きます。
さて「ドラゴンクエスト(DQ)」のマップに注目しましょう。私は3DS世代なのですが、船での移動時に、下画面にマップが表示されます。あのマップをよく見てみると、上から飛び出たかと思ったら下から戻ってきて、右に進み続けると左から戻ってきます。どうやら上と下、右と左はつながっているようです。DQの世界はどのようなかたちの惑星になっているのでしょうか?地図型のぺらぺらの粘土を用意して、まず上と下をくっつけましょう。そうすると円柱型ができると思います。次に右と左をくっつけたいので、粘土をちぎれないように引き延ばすと……ドーナツ型になりました!この形状にはトーラスという名前があります。つまりDQの惑星はトーラスだと考えられます(実は設定と整合性を保つのが難しいので、断言はできません)。
ちなみに地球のような球体(とみなすが、正しくは楕円体)がなぜ否定されるのかというと、北極点、南極点になるものがDQの世界には存在しないからです。例えば、日本から北に進むと北極点に着きます。アメリカから北に進んでも北極点に着きます。このように球体であれば、方向を決めて進むと集まる1点がどこかにあるはずなのです。ですがDQにはないことが実際の位置関係から分かるので、トーラスの可能性が高いと考えられます。
せっかくここまでお付き合い頂いているので、これで終わらず、さらに発想を広げてみましょう。もしこのような議論を、地図や粘土などの具体物ではなく、記号や数式などの抽象化したもので議論できるようになれば……我々の住む宇宙のかたちについても考えられそうではないですか?これに深く関係するミレニアム問題がポアンカレ予想です。これは2006年にグリゴリー・ペレルマンによって証明されました。今度余裕があったらポアンカレ予想について書くかもしれません。ちなみにミレニアム問題は1問解決すると約1億円貰えるのですが、ペレルマンはこれを辞退し、さらに数学界から姿を消しました。純粋に真理を追究された方だったのでしょう。