インストラクターブログ

「京都の3人」内覧会

こんにちは。なるほど科学体験館学生スタッフの K.R です。私は普段、野田キャンパスを拠点に活動していますが近代科学資料館で開催される企画展「京都の3人」の内覧会に神楽坂キャンパスを訪れました。

「京都の3人」のうちの一人の難波正氏は電気工学の専門家であり、私自身が電気を専攻していることから、難波氏についての調査を担当することになりました。とくに、彼のフランスでの活躍に注目し、資料の収集・整理を行ってきました。

内覧会当日には、難波氏のご関係の方が来館され、直接お話を伺うという大変貴重な経験をさせていただきました。私が調べてきたフランスでの活動に関する文献をご覧いただいた際には、感謝の言葉をいただき、心から「頑張ってよかった」と感じた、非常に印象深いひとときとなりました。

私が調査を始めた5月頃に感じたのは、情報があまりにも少ないということでした。残されている資料はほとんどが100年以上前の文献で、しかも当然ながらほとんどがフランス語で書かれています。調査を進めるには、語学の壁と資料の乏しさという二重のハードルを越える必要がありました。そんな中、偶然目にした資料に、思いがけない形で難波正の名前を見つけました。なんと、彼の専門分野とは全く異なるラボの見学の記録でした。全く予想していなかった場所で名前を見かけた瞬間、「えっ、ここに難波先生?」と本当に驚きました。それと同時に、ようやく具体的な記録にたどり着けたことに感動も覚えました。正直、調査を始めてからは情報が見つからない日々が続いていたので、この小さな発見が心から嬉しかったです。

調査の経験を通じて、「ヒントは意外なところにある」ということを身をもって実感しました。非常に長い期間をかけて少しずつ確かな情報を集めて、来場者の皆さんに興味を持ってもらえるような展示作りに取り組んできました。

企画展「京都の3人」は12月12日まで開催予定です。科学史や電気工学、大学の歴史にご興味のある方は、ぜひこの機会に足をお運びください。心よりお待ちしております。

【開催報告】「工学者を育成し、京都の近代化と地域振興に寄与した『京都の3人』難波正・三輪桓一郎・玉名程三」内覧会開催について(9/29)

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難波氏関係者との対談の様子