こんにちは。学生スタッフのA.S.です。先日、つくば国際会議場で行われた第三回QUP科学講座「あべこべ宇宙の林檎は下に落ちるのか?~反物質と重力~」を聴講しました。大学の掲示板でひときわ目立っているポスターが目に留まり、タイトルのユニークさに魅了されました。
会場には、60代の方から小学生まで幅広くいらっしゃいました。小中学生も参加していることに私は驚きました。私が小学生なら絶対めんどくさがっているはずです。講演は反物質の歴史、どういうものなのかについて約1時間行われました。特に物質と反物質を比較した際に対称性の重要性について触れていました。対称性は数学においても非常に重要な性質なので、共感の連続でした。講演内容はほとんど知っていることだったので、少し物足りなかったです。
講演後にQUP研究者とお話しできる時間がありました。ブラックホールの観測やダークマターの観測機器の開発などをされているそうです。ダークマターは未だ観測されていませんが、観測可能とする理論があるらしく、それに基づいて観測機器を開発しているようです。ここでも小中学生は積極的に質問をしていて尊敬します。私は数学を専攻する人間として、反物質について数学からのアプローチはあるのか質問させていただきました。すると反物質の存在は数式によって導かれたもので、「無いとおかしい」というレベルなのだそうです。こういったところで数学の厳密さが役立っているのは非常に興味深いです。他にも宇宙は何次元であるか、という問いは宇宙の研究に深く結び付いているそうです。こちらは数学における結び目理論が深く関わっています。
結び目理論について直接は言及していませんが、以前に書いたブログ「『9次元から来た男』を受けて」が数学と宇宙の繋がりを感じることができると思います。時間があれば、結び目理論についてもブログを書くかもしれません。