こんにちは。学生スタッフのA.S.です。「野田きゃんジュニアカレッジ」と「3の倍数の性質」に引き続き、ようやく性質の種明かしをするときが来ました。
さて「各桁の数字を足した答えが3の倍数なら元の数字も3の倍数がとわかる」という性質がなぜ成り立つのか説明します。割り算は割り切れないときに余りが出てきます。割り切れたときの余りを0とすると、どんな数を3で割っても余りは必ず0、1、2のどれかになることが分かります。この余りの数に着目した考え方を合同式といいます。8÷3の余りは2、5÷3の余りも2、このとき8≡5(mod3)と表します。mod3は「3で割ったときの余りが一緒」という意味です。
ここで各桁の数字を文字にしたabc(:=a×100+b×10 +c×1、積ではない)を考えます。性質が言っていることは「a+b+cが3の倍数ならabcも3の倍数」ということです。100≡10≡1(mod3)なので、a×100+b×10+c×1≡ a×1+b×1+c×1(mod3)となります。a×1+b×1+c×1= a+b+cを3で割った余りが0(つまり割り切れる)なら合同式でa×100+b×10+c×1=abcも3の倍数だと言えるのです。
ここまでお付き合い頂き、ありがとうございます。実は合同式は高校の範囲で、数に対する認識が変わる面白い分野です。少しでも面白いと感じてくれた方はこのままの勢いで7の倍数の性質も考えてみてください。
そして貴方はもう3の倍数マスターです。街中でどんな数を急に言われても3の倍数かどうか判断ができ、3の倍数だったなら是非アホになって叫びましょう笑
※余談ですが、普通の加法でも示せます。むしろそちらの方が分かりやすいかもしれません。今回は合同式という考え方を紹介したかったので、ご容赦ください。