インストラクターブログ

火星への挑戦

はじめまして。今年度から科学館で学生スタッフをさせていただいている、K.K.と申します。大学の空き時間にふらっと立ち寄ったこの科学館で、学生アルバイトの募集を知ったのがきっかけで、応募させていただきました。実際に働いてみると、来館された方々と直接お話ししながら、科学の面白さや魅力を伝えられることに大きなやりがいを感じています。

学業の傍ら、私は火星ローバー(探査車)の開発にも取り組んでいます。とはいえ、実際に火星に送り込むわけではなく、毎年アメリカ・ユタ州で開催される「University Rover Challenge(URC)」という、火星探査機の学生世界大会に向けたプロジェクトです。この大会では、遠隔操縦による模擬宇宙船のメンテナンスや物資運搬、生命探査、自律走行など、本格的なミッションが課され、各チームのローバーの性能が競われます。

私が所属するチームは、昨年、日本勢として初めてこの大会に出場し、私自身もユタ州での大会に参加しました。同じ目的で開発されたローバーでも、チームによって設計思想や得意分野が大きく異なり、見た目や動きも実に多彩です。他チームのローバーを実際に見て学ぶことができたのは、大変貴重な経験でした。そして今年、ありがたいことに再び決勝大会への進出が決まりました。昨年は初出場ということもあり、思うようにいかず悔しい思いもしましたが、その経験を活かして、チーム一丸となって改良とアップデートを重ねています。今年こそは、その成果を十分に発揮できるよう全力で挑みたいと思っています。

こうした挑戦を通して、科学技術を「知る」だけでなく、「体験する」ことの楽しさと奥深さを実感してきました。今後も科学館のスタッフとして、科学の魅力を一緒に体験してもらえるよう頑張っていきたいです。

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今年の大会に向けて開発中のローバー