インストラクターブログ

内覧会と異字体

こんにちは。なるほど科学体験館学生スタッフのK.Y.です。 遂に9月26日から近代科学資料館で、富士山観測の企画展がスタートしましたが、その前日9月25日に、今回の企画展にご協力してくださった関係者の方々をお招きした内覧会が行われ、そこで展示物の説明を行いました。内覧会が始まる前、企画展の下見があったのですが、自分が作成した解説が使用されており、どこか感慨深いものを感じました。

今回の企画展にあたって、私は野中至について調査をしたのですが、内覧会では野中至のご子孫の方がお招きされており、大変興味深いお話を伺うことが出来ました。展示品の中に野中至が富士山観測の際に使用したと思われる温度計が展示されているのですが、実際に使用されていたかどうかが不明であるといった私が知らない話まで聞くことが出来ました。私が野中至について説明することもあり、野中至が富士山観測を志した理由や観測器具がどのように使用されていたか、野中至について調査をするにあたってどのあたりが大変だったかなどを聞かれました。場の雰囲気に圧倒され、またこのような場は初めてだったので、緊張していくつかぎこちない点があったものの、なんとか説明はできたのかなと思います。

今回、調査するにあたって一番大変だったのは、文献の現代語訳でした。ほとんどの文献が明治時代に記されたもので、現在の文体とは異なり、古文で用いられる語彙や異体字が用いられていたため、とても苦労しました。中でも異体字については、現代において使用されている漢字と若干似ている異体字があり、それが現在のものと混ざってしまい、ゲシュタルト崩壊しかけたなんて感覚もありました。

今回の内覧会を通じて、自分にとって大変貴重な経験でした。協力して何かを作るという機会自体、あまり経験がなかったため、この企画展に関われて嬉しく思います。まだ、企画展は始まったばかりなので、ぜひ足をお運びください。

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