こんにちは。学生スタッフのA.S.です。暑い夏がやってきました。皆さん、今年の夏はどこかに行かれたのでしょうか?海水浴や花火、あるいは風鈴の音を聞きながらだらだら過ごすのもいいですね。さて皆さんの中には夏にけたたましく鳴り響く音の正体が苦手な人もいるのではないでしょうか。そうです、セミです。私は大の大の大の苦手です。そんなセミですが、今年は特に覚悟しておかなければいけないようです……!!
セミにまつわる数学の話です。素数ゼミ(別称:周期ゼミ)はご存知ですか?まず素数というのは1と自身でしか割れない数を指します。2, 3, 5, 7, 11, ……というやつです。素数ゼミというのは自然界での生存競争を勝ち抜くためにセミが獲得したものです。ただでさえセミは活動時間が実質的には七日間しかないわけです。貴重な七日間が天敵のせいで潰されたら繁殖がより大変ですよね(個人的にはそれでもかまわなかったのですが)。そこで天敵の生まれる年とセミの生まれる年をできるだけずらすと、セミは公倍数の年だけ耐えればいいことになり、楽になるのです。例えば、天敵が4年ごとに繁殖するとしてセミが8年ごとに繁殖しようとしたら……天敵と私は大喜びなのですが、セミ側は毎回天敵と被って大変ですね。では、天敵が4年ごとに繁殖するとしてセミが7年ごとに繁殖しようとしたら……28年に一回だけ天敵に耐える年があるわけです。逆に言えば、天敵がいない年は28年に三回もあるのですから生存競争が有利になるでしょう。こうした経験則から素数ゼミが誕生しました。
そしてここからが本題です。冒頭で「今年は特に覚悟しておかなければいけない」と話しました。観測結果によると2024年は13年ゼミと17年ゼミが同時に繁殖する年だそうです。予想では1兆匹ものセミが地球に同時に誕生するらしいです。私にとっては悪夢です。今年の夏は窓を締め切った涼しい家にこもっているかもしれません。ですが、これは221年に一度の現象なので昆虫学的には大変貴重な機会らしいです。今年しか見られない……しかも生きている間に見られるか見られないか分からないくらい貴重な現象……それでも嫌なものは嫌なのです……。