こんにちは。学生スタッフのA.S.です。「最大・最小は奥が深い」第二弾です。第一弾では、私が個人的に一番好きなソファ問題を紹介しました。最大・最小という概念の面白さを感じていただけたと思います。
最小超置換問題というものを紹介したいと思います。近年、この問題が解決へ大きく近づくきっかけとなる出来事がありましたが、きっかけを作ったのは数学者ではありませんでした。「涼宮ハルヒの憂鬱」のファンによる匿名投稿がきっかけだったのです。まず最小超置換問題について簡単に説明すると、複数の数字について全部並べるような組み合わせを、(重複を許して)全て網羅した効率のいい並べ方はないか、という問題です。調べていただくと分かりやすい具体例がすぐに見つかると思います。一方、私は存じ上げないのですが、「涼宮ハルヒの憂鬱」という作品は、話を様々な順番で見ることができるそうなのです。つまり複数の話を全部並べて見ることを繰り返す必要があるということです。このとき、効率のいい並び、組み合わせで見ようとすると最小超置換問題と似た条件になりますね。そしてさらにすごいのはここからです。上記の「涼宮ハルヒの憂鬱」問題に関して、効率のいい数学的方法をSNSに匿名投稿したものが現れたのです。 これを偶然見かけた数学者によって最小超置換問題と「涼宮ハルヒの憂鬱」問題はつながり、数学界に大きな影響を与えました。まだ解決には至っていませんが、この匿名投稿がきっかけで解決に向けて躍進したのは間違いないでしょう。
以上、二回にわたって最大・最小にまつわる未解決問題を紹介しました。他にも有名な巡回セールスマン問題や、なるほど科学体験館にも展示されている正方形詰め込み問題などがあります。未解決問題に挑戦する権利は誰にでもありますので、気軽に是非調べてみてください!