インストラクターブログ

3Dメガネ

こんにちは。K.S.です。私は今年度で修士課程を修了し、4月から社会人として企業で働きます。それに伴って、なるほど科学体験館のスタッフも卒業します。科学館のスタッフとして2年以上過ごしてきたので思い出も多く、寂しい気持ちでいっぱいです。最後の仕事として卒業展示を作製したので今回はそれについて書こうと思います。

私の卒業展示は「3Dメガネ」です。3D映像には赤色と青色のレンズのメガネを使用するもの、偏光レンズのメガネを使用するもの、そもそもメガネを使用しないものなど、多くの種類があります。様々な種類はありますが、3D映像は主に「両眼視差」を利用しています。右目と左目の間隔の分、右目の位置と左目の位置はズレているため、右目が見ている映像と左目で見ている映像は微妙にズレています。これが両眼視差です。この差をもとに脳内で演算が行われ、立体的に見ることができるのです。

私の卒業展示では、比較的簡便に3D映像が見れる「アナグリフ方式(赤青レンズを使った方法)」を採用しました。赤色の像と青色の像が微妙にズレて重なっている映像を赤青レンズのメガネで見ることで、レンズと同じ色の像は同化して見えなくなるので、左右の目に異なる二次元像がうつり、脳は立体として知覚することができるのです。この方式の3D映像を一度は見たことがある人が多いと思いますが、改めて見てみると結構はっきりと3Dを体験できるのできっと感動すると思います。ぜひ、来館して体験してみてください。

本来は他の3Dメガネも作製したかったのですが、日々の研究に追われてなかなか作ることができませんでした。この卒業展示を機に他の方式の3D映像にも興味をもっていただけたらと思います。

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3Dメガネ