インストラクターブログ

ノイズ

こんにちは. なるほど科学体験館スタッフです. いきなりですが, 今回は私の研究について述べさせていただきます.

私は脳波計についての研究をしています. 脳波計の研究というと脳波を測って”この人はこんな感情を抱いている”であったり, “脳波で機械を動かす”とかを想像するかもしれません. しかしながら私の研究は少し違います.

私が実際に行っている研究を端的にまとめると脳波計にどの程度ノイズが乗っているかについて調べています. ノイズといっても様々あり, 通話しているスマートフォン同士が近くにある際に大きい音が鳴るハウリングなどが身近です. 脳波計におけるノイズとは脳波以外の全ての信号 (アーチファクトという) のことを指します. 脳波は非常に小さい信号なので周りにある電気を使う機械 (冷蔵庫, 電子レンジ, テレビ, 照明etc…) が全てノイズの元となり, 脳波を正常に測ることができません. しかしながら電気を使う機械がどのくらいノイズを出しているかわからないのでこれを調べています.

調べてみた結果, 身近な場所で脳波を測ろうとすると, 脳波は周りのノイズにかき消されてしまい, 正確に脳波が測れないことがわかりました. そうすると”家では脳波が測れない. ”であったり, “脳波で機械を動かすなんて無理じゃん. ”と思うかもしれませんが, フィルタ処理というノイズをカットする操作をすることである程度は解消されるので, 脳波で機械を動かす時代が来るのも近いかもしれません.

(私の研究の少し詳しい話をすると, 周囲のノイズを調べるには外からノイズが入らない部屋 (シールドルーム) と今実際に皆さんがいるような場所の両方でファントムを脳波計に装着して脳波計を動かします. この2つの測定結果の差から皆さんがいるような場所でのノイズがどのくらいかわかるという仕組みです. ファントムとは体のある部位を電気の観点や音の観点などから同じ特性を持ったものです. これがあることにより人体実験, 動物実験がいらなくなります. )

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測定風景