インストラクターブログ

寺尾寿と黒田清輝

こんにちは。K.S.です。私は「寺尾寿 企画展」に向けて、寺尾と交流があった「日本近代洋画の父」と呼ばれる黒田清輝について調べました。調べていくうちに、二人の間には意外な関係性があることが分かりました。

黒田清輝の作品のひとつに寺尾寿の肖像画があります。肖像画を描くぐらいですから、黒田と寺尾は深い交流があったのだと思います。実際、黒田は1883年に寺尾からフランス語を学んでいました。しかし、黒田は翌年の1884年の2月には渡仏しているため寺尾からフランス語を学んでいる期間は意外にも短いことが分かります。寺尾の肖像画が描かれたのはそのだいぶ後の1909年ですので、黒田のフランス留学後も2人の交流は続いていたのだと思います。

100年以上前のことなので資料が限られており、寺尾が黒田にフランス語を教えることになった経緯や、肖像画が描かれるまでの二人の交流の詳細など、分からないことが多くあります。しかし、分からないことがあるからこそ想像する楽しさがあります。寺尾と黒田の調査を通して、歴史の楽しみ方を学べたように思います。

参考文献:

https://www.asj.or.jp/geppou/archive_open/2003/pdf/200308art3.pdf

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