インストラクターブログ

就職活動②

こんにちは、学生スタッフのA.Kです。前回お話しした「就職活動」の続きとなります。

ポーラ美術館へはバスで移動していました。道中は森で、見渡す限りの樹木が並ぶ山道でした。本当に美術館があるのか不安に感じながら、森の中から突如として幻想的な白銀のアプローチが現れて驚きました。木々の間から入る設計はどことなくなるほど科学体験館に似ていますね。あっけにとられながら美術館の中へ進むとアプローチの空間とは一変して視界が開けるような開放的な空間となっており、緩急のある空間演出が印象的でした。また、建物の大部分が地下であるにも関わらず、日光が下層まで届き、開放的な空間を演出すると同時に、エントランスから建物全体のイメージが把握しやすい構造であることも印象に残りました。私は美術館を訪れたにも関わらず展示された美術品ではなく建物に惹かれてしまい、同行者からは白い目で見られてしまいました。しかし、このポーラ美術館を見学したことによって、私は人にまた行きたくなるような印象の強い建築物の設計に携わりたいと思うようになりました。この経験でかなり就きたい企業が絞られたと感じています。

帰宅後、すぐにポーラ美術館の建設に携わった企業を調べると、ある設計事務所の名前がありました。設計事務所はゼネコンとは異なり、建築の設計監理や都市デザインの企画や調査を行う業界です。恥ずかしながら当時の私はこの業界を知りませんでした。より詳しく調べるうちに、ポーラ美術館のような芸術性の高い建築物や街のシンボルとなるような魅力的で影響力の高い建築物の設計に携わりたいというより細かな「軸」が定まりました。ようやく企業選びも形になってきたわけです。

結果として私はポーラ美術館を設計した組織系建築設計事務所に入社することが決まりました。私が長々と書いたこの記事で伝えたいことは主に2つあります。1つ目は「自分の研究テーマとは異なる事業にも関わっていい」ということです。私は太陽光パネルの異常検知方法を検討していますが、テーマとは離れた建設業に就くことができました。面接でハッキリとした志望動機を伝えることができれば、研究テーマとは異なる事業であってもチャレンジすることができます。研究テーマの類似性から企業を探すのではなく、本当に自分が大切にしたいことをベースに企業選びをしてほしいです。2つ目は「たまにはみちくさ食っても大丈夫」です。就職活動は約1年間という長い間、自分の将来についての不安とプレッシャー、学業や私生活との両立など孤独で険しい戦いを強いられます。どうしても疲れたり悩んだり、苦しい場面に直面した場合は人に相談したり、みちくさを食ったり、自分なりの解決方法でリフレッシュすることを心掛けましょう。

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なるほど科学体験館の外観