インストラクターブログ

大村先生のお言葉

こんにちは、学生スタッフのM.K.です。研究に注力するため、年内になるほど館を退職する運びとなりました。大村智記念展示室(近代科学資料館に開設されました)に関するお仕事もいくつか任されておりました。退職の前に新たなお仕事が経験できて良かったと感じております。

さてお仕事の関わりで、大村智先生と直接お話するという滅多にない機会をいただきました。その場でしか聞けないお話もあり、非常に価値ある体験でした。

特に記憶に残っているのは、医学の発展に大きく貢献し新しい千円札のデザインになっている、北里柴三郎先生にまつわるお話です。北里先生は細菌学分野において血清療法をはじめとした様々な功績を上げており、第1回ノーベル生理学・医学賞の候補者として名前が挙がっていました。しかし、北里先生がノーベル賞を受賞することはありませんでした。大村先生がノーベル賞を受賞された際、「よくぞ北里先生の無念を晴らしてくれた!」と北里研究所の方々に大変喜ばれたそうです。大村先生自身も北里先生を非常に尊敬していることが感じられ、印象に残っています。

また大村先生から「実践躬行」というお言葉をいただきました。実践躬行とは、口先だけでなく実行に移すことが大切であるという言葉です。大村先生は宣言したことを行動に移すこと、そして宣言したことが実現するまで粘り強く取り組むことが大切であると述べられていました。大村先生がノーベル賞を受賞された背景には、実践躬行の精神に基づいた日々の行動の積み重ねがあったのだと実感し、感銘を受けました。私も実践躬行の精神を心に携え、勉学や研究、そして大学院卒業後も仕事に励んでいきたいと思います。


実践躬行