インストラクターブログ

インターネットの裏側

こんにちは。今回初投稿な、学生スタッフのT.M.です。情報科学専攻の修士2年生で、普段はコンピュータの通信について研究しています。

インターネットは、世界中をつないでいるコンピュータの通信網です。その通信網ではIP(Internet Protocol)という決め事にしたがって、パソコンに数字の住所を割り振ります。数字の住所情報をもとに、パケットと呼ばれるデータの小包をお互いに送りあいます。

パケットのお話の前に、年賀状を考えてみてください。皆さんが年賀状を送るとき、相手のおうちに行って手渡しはしません。その代わりにポストに投函し、いくつかの郵便局をめぐって、相手の家の郵便受けに送られます。パソコンやスマホの通信も年賀状と同じように、「ポスト」となるコンピュータに送り、いくつかの「郵便局」役のコンピュータをめぐり、最後に相手のコンピュータに届きます。

郵便とコンピュータの通信の違いは、そのスピードです。コンピュータの通信は文字も絵も0と1の羅列に変換して送るので、一瞬で届きます。通信の途中で間違った0と1が送られてしまうことがありますが、1つぐらい間違っても元に戻せる仕組みがあり、それは数学を使って作られています。数学の支えのおかげで、コンピュータは便利で快適に使える道具になりました。

「ポスト」役は「家庭用ルーター」、「郵便局」役は「インターネットサービス屋さんのルーター」を想定しました。私がしている研究は、郵便局役のコンピュータ間のやりとりを、より安全にする研究です。

写真は、なるほど科学体験館にある物理的な最短経路ネットワークの例です。原理も着目点もコンピュータネットワークとは違いますが、最短経路を求めるネットワークです。コンピュータネットワークでは自分から送り先までの経路の短さを優先するOSPF(Open Shortest Path First)という経路選択方法があります。

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物理的な最短経路ネットワーク