インストラクターブログ

話題の軽石

お久しぶりです。科学教育専攻のI.K.です。学部から地学系の研究室に入り地学教育や水質調査などを研究してきました。修士論文も提出し,これが私の最後のブログになりそうです。なるほど科学体験館での経験を糧として,春から楽しんで働きたいと思っています。

さて,2021年に沖縄へ大量の軽石が漂着したニュースをご存知でしょうか。この軽石は,2021年8月に噴火した福徳岡ノ場という火山で噴出されたものになります。今回,この福徳岡ノ場の軽石を入手する機会がありましたので,写真のようにスペースをもらって展示しております。

福徳岡ノ場は東京から南へ約1300 kmも離れた位置にあります.沖縄からも西へ1400 kmほどです。この長い距離を浮かんでやってきたわけですが,どうしてその間に沈んでしまわなかったのでしょうか?その秘密は軽石の「空隙」つまり「スカスカ」の構造にあります。スカスカなので全体の密度が小さくなり浮かびます。もちろんスカスカを水が満たせば沈みます。しかし,スカスカが複雑で、中までなかなか水がしみこまないのです。

軽石の構造がわかれば,大量の軽石に対する有効な対処方法が見つけ出せるかもしれません。例えば,砕いてしまう,スカスカの中に水を無理やり入れるなど様々な対処方法が考えられます。ご来館いただだいたときは,ぜひ軽石のスカスカ具合を見ていただければと思います。

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福徳岡ノ場の軽石