インストラクターブログ

新規材料の合成を目指して

お久しぶりです。H.Kです。学部4年生の時からなるほど館スタッフになり早2年...。時間が過ぎるのは早いもので、私はもう修士2年生になっています。就職活動も無事に終え、現在は卒業研究のラストスパートを駆け上がっています。今回は私の研究について話したいと思います。

私が取り組んでいるのは新規有機半導体材料の合成です。昨今、半導体として代表格とも言えるシリコンの不足についてよくニュースで取り上げられているのを見たことがあるかもしれませんが、有機半導体は地球上に溢れている炭素や窒素、水素などで構成されており、再生可能であるためシリコンに変わる新たな半導体として現在多くの研究者がその実用化や合成に挑んでいます。

普段は目的物を作るためにいくつかの試薬を加熱して分子構造の変化を調べています。物質の構造解析にはXRD ( X – ray Diffraction )という装置をよく用いています。これはX線を物質に照射すると、X線が物質の原子・分子の配列の情報を持って散乱される現象を利用して物質の結晶構造解析に役立てています。測定によって得られた回折パターンと目的とする物質の結晶構造のモデルと合致したら、目的物を合成できたことになります。

ところで物理学科所属の私が有機合成をやっているというのは自分でも少し違和感がありますね。しかし、自分が作った材料の物性を測るときに物理の知識が役に立ち、そのデータを考察するのは非常に面白いです。研究ができる期間も残りあと僅かですが悔いが残らないように最後まで頑張りたいと思います。それでは皆さんお元気で!

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