インストラクターブログ

物理法則とソフトウェア

お久しぶりです。以前は物理学科に所属していましたが、大学院進学にあたり機械工学科に転科することになりました、修士1年のM.Kです。

  今私が関心を持っているのは就職活動です。それにちなんで、今回は私が志望している業界とその業界を志望する理由について書きます。

  私はソフトウェア業界を志望しています。ソフトウェアとは、コンピュータに命令を出すプログラムの集まりのことです。私は今ノートPCを使ってこのブログを書いています。手に触れているキーボード、打ち込まれた文字が表示されているディスプレイなど、物理的に触れることができる機器をハードウェアと呼びます。ハードウェアを動かすためには、動作を命令する存在、すなわちソフトウェアが必要になります。

  世の中の「モノ」にコンピュータを搭載する動きはどんどん加速しています。未来においてはコンピュータと「モノ」の関係はより不可分なものに、平たく言えば身の回りの「モノ」のほとんどにコンピュータが付いているという世界になっているかもしれません。そのような未来における「モノ」とそれらに命令を出す「ソフトウェア」の関係は、あるものに似ています。それは「自然現象」と現象を支配する「物理法則」の関係です。

  世界には様相の異なる色々な「自然現象」があふれていますが、それらの根底には「物理法則」というつながりがあります。空中に放り投げたボールと公転している惑星の運動が、ともに運動方程式という同一の「物理法則」で記述できることはその一例です。身の周りに存在している「自然現象」を「物理法則」という視点で見つめることは、私の世界に対する捉え方をより面白く、より豊かにしてくれます。

  話をソフトウェアに戻すと、「ソフトウェア」と「モノ」、そして「物理法則」と「自然現象」は、いずれも「ルール」と「ルールに従うもの」という同じ関係性をもっています。もしも未来においてコンピュータを搭載した「モノ」が「自然現象」と同じくらいありふれた存在になっているならば、「ソフトウェア」に対する理解を深めることで、身の周りの「モノ」の裏に存在するつながりを見つけられる気がしています。

 「ソフトウェア」という視点から身の周りにある「モノ」を理解することで、「物理法則」という視点から「自然現象」を見つめたときのように、私の世界に対する捉え方をより面白く、より豊かにしたい。そのような思いがあって、私はソフトウェア業界を志望しました。

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なるほど科学体験館からの景色