近代科学資料館に展示されているコンピュータの歩み


 人類は、ツールとし計算機能を持つさまざまな装置を考案してきた。
古くは
1. パスカルの計算機(パスカリーヌ)(1642年)

2. ライプニッツの計算機(1671年)

が考案されてきたが、現在の電子計算機の考え方を、「機械(機関)」として実現しようと考えたものが有名な

3. バッベイジの階差機関(アナリティック・エンジン)(1820年)

であり、さらに、データの処理(検索機能)を行う機械として、

4. ハーマン・ホレリスのパンチカードシステム(1887年)

など、絶え間ない努力のあとを見ることが出来る。
これら、1から4に挙げた装置のレプリカが、国立科学博物館から、本資料館に特別に貸与され、展示されている。計算機の歴史を振り返るときに、ぜひこれらをご覧になることをお勧めしたい。
また、1930年から40年にかけて、機械によって微分方程式を解く「微分解析器 (詳細はここをクリック」が考案され、多くの研究者によって使用されたが、本学においても、数学科の研究室でかって使用していた現物も見ることが出来る。
 現在の電子計算機と同様の原理によって動作する「電子計算機」が誕生したのは1940年代であるが、これから、10有余年後には、全真空管式の電子計算機「ベンディックスG-15型  (詳細はここをクリック) 」が米国より発売され,我が国では、当時の国鉄が本機を使って、座席予約システムMARSを実現した。G−15は生産台数が少なかったため、現存するものは世界に数台と極めて少数であり、一見の価値がある。
 また、これより若干遅れて発売されたカシオ社の「リレー計算機  (詳細はここをクリック)」も当時の技術水準を窺うものとして、大変興味深い。
 さらに、1960年には東京大学の後藤博士が発明した「パラメトロン論理素子」を用いた電子計算機「FACOM−201」  (詳細はここをクリック)も閲覧することが出来る。これは国産のパラメトロン電子計算機の第2号機として本学で購入・使用していたものであるが、第1号機が散逸してしまった今となっては、最古のパラメトロン計算機として貴重な資料として「重要産業技術史資料」に指定されている。

 1970年代以降はご承知のようにマイクロコンピュータの時代となるわけであるが、当時のマイコンボード、各社のベイシック・マシーンなども所蔵されているが、近い機会に、これらを系統的に整理した特別展示を行う予定である。

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