リレー計算機




 リレーとは継電器のことで、電磁石の動作によっていくつかのスイッチ接点を開閉させるものです。デジタル素子は、今日でも電気制御用として使われています。昔は電話ダイアルの回線を自動接続するため膨大な数のリレーが使われていました。
初期のコンピュータもリレー計算機でした。電話の自動接続もコンピュータも膨大なリレー群を恒温・恒湿・防塵する気密室を必要としました。
 昭和32年11月発表された、カシオリレー計算機14-A型は342個のリレーを机の中に収納したもの。このわずかなリレーで14桁の四則計算ができる画期的な世界にない創造技術でした。14-A型のキーボードはテンキー式で表示方式も現在の電卓と同じものでした。それまでの歯車やレバーの電動計算機は騒音が発生するうえ1回の乗除算が平均10秒であったのに対し、14-A型は無音で5,6秒の高速でした。
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技術用リレー計算機 14−B型

製造社:カシオ計算機(株)昭和34年5月発表、

<主な機能>

四則算:14桁、定数記憶:7桁1組 5桁2組、自動累計計算、開平計算、

<主要素子>リレー

<寸法・重量>幅1080mm奥行445mm
高さ780mm重さ140kg<価格>650、000円<当時の大卒初任給10,200円
14-A計算機販売の1年半後、技術計算・統計計算などで平方根を求めたいという
ニーズにこたえ14B型が発表されました。14−A型にリレーを12個追加した自動開平計算法の発明でした。この開平計算法は、現在の電卓にも採用されています。
 当機は、武蔵工業大学 先端構造工学研究室で使用されていたものです。
     平成17年3月23日
     寄贈者 武蔵工業大学 名誉教授 
                   西脇威夫 殿