微分解析器




 微分解析器は、1931年にV.Bushによって考案されたもので、本展示品は、70年ほど前に、本学の数学科、清水研究室で実際に使用されていたものである。
 微分解析器の原理は、機械的に面積を描くことによる「積分器」をつくり、これらを複数組み合わせることによって微分方程式を実現し、これによって、微分方程式の解をグラフの形で得るものである。
 現在は、デジタル計算機によって微分方程式を簡単に解くことが出来るが、電子計算機そのものが考案されていなかった時代には、このような大掛かりな機械装置によって、微分方程式を解き、研究を進めている。 なお、本展示品は、歴史的に極めて価値があるもので、本品の写真が、国立博物館に展示されたことがある。バッベイジの解析機関の原理とは異なる「アナログ的計算手法」による解析器として、一時期、大活躍をした時代があった。
 特に、当時の最高水準の技術を用いて実現された「精巧な歯車機構」が極めて興味深い。