資料館スタッフブログ

保田棟太の数学

こんにちは、資料館学生スタッフのS.H.です。現在、近代科学資料館では、東京理科大学創設者シリーズの第4弾として、「物理学校と漱石」~数学教師「坊っちゃん」と保田棟太・櫻井房記・中村恭平~という企画展を行っております。私はその中でも、保田棟太という人物について調べさせていただきました。

保田は東京物理学校(現在の東京理科大学)の創設者の一人で、第一高等学校教授を務めていました。教えていた科目は数学の三角法で、現在でいうところの三角比や三角関数に当たります。そして、『東北数学雑誌』では、保田の逝去に際し、「同氏ノ三角法講義ハ同校(第一高等学校)ノ名物ナリシト聞ク」との記述があり、保田の講義の世間での評価が知れます。また、保田は物理学校の講義で用いるためにフランスの三角法の教科書を訳しました。そして、平面幾何学、球面幾何学の教科書も物理学校の卒業生である白井伝三郎との共著で書いており、それは他の学校でも用いたられていたことが分かっています。物理学校の卒業生の数学史家、小倉金之助によると、物理学校全体の特徴でもあるが、当時日本で主流であったイギリス流の教科書に対して、仏語物理学科を卒業した彼らのフランス流の教科書は異彩な存在であった、と述べられています。

企画展では、保田に関するより詳しい内容に加え、第五高等学校第五代校長の櫻井房記、物理学校第三代校長の中村恭平について、漱石との関連性に触れながら解説しています。新宿区立漱石山房記念館とのタイアップとして、スタンプラリーも行っておりますので、ぜひ訪れてみてください。

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保田の三角法教科書