資料館スタッフブログ

アイルランド研修の学びI.M.

皆様こんにちは。近代科学資料館学生スタッフのI.M.です。九月に入り、神楽坂も朝晩はずいぶん過ごしやすくなってまいりました

さて、皆様は初めて訪れる土地について、出かける前にどこまで下調べをなさるでしょうか。私は先月、学科の短期研修で十日間ほどアイルランドに滞在し、その準備をしながらこの問いをずいぶん考えることになりました。前期にはアイルランドの文化的な背景を学ぶ授業もあり、知識を入れたうえで現地へ行って、頭の中の想像と実物との差を自分の体で確かめる、そういう狙いがあったのだろうと帰ってきてから思っています。実際、調べておいてよかったと感じた場面は多くありましたが、根本に根付く風習や文化などは、やはり行ってみるまで見当もつきませんでした。

滞在したのはダブリンから電車で四十分ほどのメイヌースという町で、大学の寮に泊まりながら、平日の午前中は五日間にわたって英語の授業を受けます。午後からは自由行動で、その時間を使ってダブリンや北アイルランドまで足を延ばしました。

なかでも忘れられないのが、滞在していたメイヌース大学のチャペルです。学内を案内していただく時間があり、そこで初めて中に入ったのですが、石造りの空間の大きさと、数百年前のものとは思えないステンドグラスの精巧さを前にして、うまく言葉にできない感覚がありました。

写真では何度も見ていたはずのものが、実物の前ではまったく別のものに見えたのです。この「下調べと実物のズレ」は、資料館で働いていても感じることではないでしょうか。解説を読んで仕組みを知ってから現物の前に立つと、想像していたものとの違いにまず驚かされます。以前この場所を「対話の場」と書きましたが、その対話は自分の中の知識と目の前の実物とのあいだにも起きているのかもしれません。

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メイヌース大学旧校舎のチャペル