資料館スタッフブログ

夏の内覧会

こんにちは、T.Yです。「憧れの科学館バイト」という題で初めてスタッフブログを書かせてもらってからもう3つ目のブログになります。

昨夏、近代科学資料館に、ノーベル賞受賞者の大村智先生がいらっしゃったことを書きます。「大村智先生が資料館に来られるので、失礼のない服装で出勤するように」と連絡があり、当日、私は帰省先から朝7時に関西空港から飛行機に乗って成田空港へ、そこから電車で1時間かけて資料館へ向かいました。私がノーベル賞受賞者と会うのは高校生の頃、ノーベル物理学賞受賞者の梶田隆章先生の一般講演会を聞きに行ったとき以来でしたので、資料館という私にとって身近な場所でノーベル賞受賞者とお会いできることに大変緊張していたことを覚えています。

なんとか出勤時間に間に合った私は、急いでスタッフタグを身に着けて待機していました。しばらくすると大村先生が資料館にいらっしゃり、学生スタッフや職員の方々大勢と共に資料館の2階にある大村記念展示室をゆっくり見学されました。大村先生は大村記念展示について「ここにあるイベルメクチンの寄生虫に作用するメカニズムの説明は一般の方には難しいのではないか」や、自身の学位記を見られて「とても懐かしい」といった意見を述べられていました。実際に大村記念展示室にあるイベルメクチンについての解説パネルは専門的で難しく、私も理解に大変苦労しています。ぜひ皆さんにもイベルメクチンのその効果や、仕組みの理解に挑戦していただきたいです。また大村先生が懐かしがられるような研究の軌跡や理科大在籍時代の記録、本物のNMR等も展示されています。大村先生は、本学でのNMRを用いた研究が研究者としての原点だと言われています。一通りの見学を終えた後、資料館内にある会議室にて学生スタッフや職員の方々と共に大村先生から展示内容に関してどのような修正を行うべきか伺いました。

言葉を交わすことは叶いませんでしたが、とても近くで大村先生と資料館の新展示室を見学できたことは大変光栄でした。今回の大村先生からのアドバイスを経て、大村智記念展示室はついに完成し、2022年10月からオープンすることができたのです。

展示物をご覧になる大村先生
展示物をご覧になる大村先生