資料館スタッフブログ

11/14 技術継承プロジェクト講演

そろそろ通算3本目の論文が完成しそうで、ホッとしている博士課程1年のN.S.です。11月も折り返しに入り、企画展「パラメトロンとリレー計算機」も気づけば開始から3週間が経ちました。

さて、11月14日に企画展イベントとして、「富士通リレー式計算機 技術継承プロジェクト」について、若手の技術継承者である富士通特機システムの内藤氏に講演をしていただきました。

現在、富士通の沼津工場と川崎工場にはそれぞれFACOM128BとFACOM138Aというリレー式計算機が存在しています。これらはただ展示されているわけではなく、製造から約60年経った今でも現役で稼働するのです。富士通では2007年から、これらのリレー式計算機をこれからも稼働させ続けようというプロジェクトを進めており、特にFACOM128Bは来年「還暦」を迎える予定です。

イベントでは、これらのリレー式計算機がどのような仕組みで動くのか、この技術継承プロジェクトを進めるうえで大変なことなどを伺いました。洗浄時に油を落とし過ぎた場合など、手入れの方法を少し変えるだけでも不具合の原因となるという話もしていただき、とても精密な仕組みで動いていることが改めてわかりました。また、参加者の方から「FACOM128Bや138Aでは何進数で計算しているのか」などの専門的な質問もありました。これらでは10進法で計算できるように5C2コードというものを用いているそうです。その他、参加者からはリレーの接点の数などの質問が飛び交い、同席された富士通OBの方からも回答をしていただいたり、非常に熱いイベントとなりました。

Fujitsu
講演の様子
FACOMの設計指針について解説中