資料館スタッフブログ

富士通川崎工場見学会

はじめまして11月から近代科学資料館のスタッフになりましたK.K.です。2回目の勤務にして早速、富士通川崎工場見学会に参加し、主にリレー式計算機について学んできました。

そもそもリレー式計算機とは、電磁石を使ったスイッチの接点に電流が流れるか流れないかを電気回路のON/OFFにあてはめて計算する機械で、研究・設計・調査などの数値計算に使用されたものです。

私はリレー式計算機の仕組みについてあまり知らないで参加してしまいました。しかし、説明を聞くほどに計算機の面白さが分かり、特に新鮮だったのが今から57年前の1960年に製造された計算機FACOM-138Aに実際に触れることができた点です。命令は、命令カードというパンチで打たれた台紙で読ませますが、機械に組み込まれているボタンで入力も可能だということで私たちはボタンによる入力で演算の計算を特別に試させて頂きました。現在では電卓で足し算をしても感動はしませんが、リレー式計算機ではリレーが動いている音を聞くことができ、やはり半世紀も前の機械に自分たちで入力をして動かしているという点に感動しました。その他にも命令カードを用いての円周率計算を拝見してリレーから火花が出ているのも確認しました。

また説明を聞いた中で純粋に感銘した点は、メインフレームの仕組みや考え方が既に導入されているというところです。特に、ある程度計算したところでエラーが出ても最初からやり直すわけではなく、エラーを検出したらすぐに停止して少し戻って計算をやり直すというリトライ機能は便利だと感じました。

リレー式計算機の見学後には、機械学習を用いたロボットやVR技術の見学も行いました。VR体験は工事現場での危険を疑似的に体験できるというもので、体験している友人が怖そうにしているのを見て、同じ場所にいるはずなのに友人にとって、そこは別の場所であることを感じ、VRを用いた今後の利用法にとても興味が深まりました。

今回の見学会を通し、多くのことを学び、また先輩方の知識量に圧倒されつつ、私も勉強に励みたいという気持ちが高まりました。

kouyou
FACOMの計算体験している様子