資料館スタッフブログ

KIRIBAKO

こんにちは。Y.I.です。今回の企画展「日本の女性科学者」では、原子物理学研究者の湯浅年子博士を担当しました。

博士の研究で有名なβ崩壊の構造解析、その観測器といえば、霧箱!ということで、実験実演で皆様に霧箱をお見せすべく準備を進めてきました。普段は見えない素粒子の世界の出来事を見えるようにすることが出来る霧箱、とてもナイーブで苦戦しました。温めすぎてもいけないし、冷やしすぎてもいけないし、液体が多すぎてもいけないし、磁場も安定させなければいけない。自分が所属する天文研究部でも展示したことがある霧箱でしたが、初めて作ってみるとかなり工夫のしがいがあって楽しかったです。

目に見えない現象を観測し、そこから物理を導くことは私もとても興味があります。また、その観測をするための観測器の研究というのは、すごく面白いです。知識と知恵を絞って作り出したものが、未知の現象の観測者を生むかもしれないのですから。博士もそんな希望をみながら研究に没頭されていたのかなと想像しました。この好奇心は、男女関係なく、人間のものだと思います。

kouyou
霧箱