資料館スタッフブログ

漱石枕流

来月の23日から、近代科学資料館では企画展『「坊っちゃん」とその時代』が開催されます。企画展に向けて学生スタッフはそれぞれが受け持つ仕事をしています。僕が担当しているのは夏目漱石の学歴と当時の学校制度について調べることです。今とは少し制度が違うのですが、夏目漱石が当時どのような小学校、中学校、高校、大学に所属していたのかを、年表や本を見比べながら調べています。漱石は転校を何度もしていたので出身校の名前がころころ変わり、調べるのが大変です。

話は変わりますが、夏目漱石というのはじつは本名ではなく本を書くときにつかうペンネームなんです。「枕石漱水」という四字熟語があります。俗世間から離れ、川の流れで口を洗い石を枕として睡眠をとるような隠居生活を送りたい、という意味です。最近硬い床の上で寝ている僕はこの四字熟語の「枕石」の部分だけ当てはまっていると言ってもいいと思いますが、僕はこんな余生は送りたいとは思いません。口は蒸留水で洗いたいですし、低反発枕とふかふかのベッドで寝たいです。話を戻しますが、中国のある人がこれを「漱石枕流」と間違え、しかし間違いを認めようとはしなかったことから「漱石」には「頑固者」、「負け惜しみ」という意味があります。漱石はこれを気に入って名前を夏目漱石としたようです。

このように、調べていくと夏目漱石について興味深いことが色々とわかってきます。企画展ではそんな夏目漱石についてたくさんのことを知ることができるので、ぜひご来館ください!

kouyou

年譜と睨めっこをするF.T.